分譲住宅のメリット・デメリットは?購入に向いている人や選ぶポイントを解説
分譲住宅は、マイホームを購入する際の選択肢のひとつですが、メリット・デメリットを知り、ポイントを押さえて物件を選ぶことが大切です。分譲住宅とは、不動産会社やハウスメーカーが分譲した土地に、住宅を建てて1戸ずつ販売する住宅です。
住宅が完成している場合は、見学会などを通して実際に見て触れることで確認できます。そこで、今回は分譲住宅のメリット・デメリットを中心に、購入に向いている人や選ぶ際のポイントを解説します。マイホームの購入を検討している人は、ぜひ最後までご覧ください。
分譲住宅のメリットは?
マイホームを購入する選択肢のひとつである分譲住宅は、購入する前に住宅を見学できる魅力があります。はじめに、分譲住宅のメリットをチェックしていきましょう。
他住宅より費用を抑えられる
戸建ては、注文住宅や建売住宅、分譲住宅などの選択肢があります。これらのなかで分譲住宅は、購入費用を抑えられることがメリットです。多くの場合は、建材を一括仕入れなどで大量に仕入れるため、建材コストを抑えられます。
また、ハウスメーカーや不動産会社が土地をまとめて購入し、分割して販売するため、土地も比較的安く購入できる点も影響しています。
建物を見学できる
住宅が完成している場合は、見学会などで実際の住宅を見学できます。住宅の内部だけでなく外観や駐車場、庭などに至るまで気になる部分を確認して、納得のうえで購入できます。
入居後の生活をイメージしやすい
完成した住宅を実際に見ることで、入居した後の生活をイメージしやすいところもメリットです。たとえば、寝室や子ども部屋の割り振りや家具のサイズ、配置なども具体的にイメージできます。
また、庭がある場合は使い道も考えられるため、BBQや子ども用のブランコを置くなどのリアルな想像もふくらませることができるでしょう。
すぐに入居できる
購入を決めた時点で住宅が完成している場合は、すぐに入居できる点もメリットです。水道や電気などのインフラも整備されているので、引っ越しさえしてしまえばすぐ住める魅力があります。
しかし、住宅ローンを利用する場合は、金融機関での手続きが終わってからの入居になります。タイミングを見て早めに手続きしておけば、その分早く入居できるでしょう。
一斉入居で人間関係を気にしなくてよい
多くの場合は、複数の分譲住宅をまとめて建築・販売するので、住宅の完成と契約が済んだ人から入居します。場合によっては、同じタイミングで一斉に入居することも珍しくないので、近所の人との人間関係をさほど気にしなくてもよい面があります。
同じ分譲住宅を購入した人は、これからコミュニティを形成する同じ立場にあるため、大人や子どもたちが新たな一歩を踏み出しやすいでしょう。
利便性が高い傾向がある
分譲住宅が建てられるエリアは、近隣に大型商業施設や病院、そのほかの主要施設などがある利便性の良い立地の傾向があります。住宅と同じタイミングで建築する場合もあるので、利便性が高まるといえるでしょう。
車の移動がメインになるなど、地域の中心部に比べれば不便に感じる場合もありますが、上回る便利さを感じられるでしょう。
ご近所トラブルが少ない
分譲住宅は、分譲地一帯に統一感を持たせて美しい景観になるよう建築されます。住宅は、間取りやコンセプトが共通していることが一般的です。そのため、同じ分譲住宅を購入した人は、価値観や思考が近い人が集まりやすいです。
また、同じような家族構成の人が集まりやすく共感や理解しやすいため、近所トラブルが起こりにくい傾向があります。また、人間関係をゼロから構築するため、場合によっては町内会などのコミュニティをつくりルールを決める場合もあります。
統一感と個性を備えている
分譲住宅はそのエリアのなかで、おおむね決まった間取りやデザインで建築されますが、すべて同じ住宅というわけではありません。しかし、エリア全体でみると統一感のあるイメージです。
そのなかで住人が植物を植えたり、カーポートを設置したり、それぞれのライフスタイルを演出します。統一感のある住宅地でありながらも個性も備えているといえるでしょう。
万人受けするデザイン
分譲住宅は、あらかじめコンセプトを決めて、コンセプトに沿う景観となるように建築するのが一般的です。そのエリアがひとつの町のように感じられることもあります。そのため、コンセプトから外れるような斬新なデザインではなく、多くの人から好感を得られるような万人受けするデザインを取り入れることが多いです。
土地の価値が減価しない
長く住宅に住み続けると住宅の資産価値は低下しますが、分譲住宅の土地は減価しないこともメリットです。分譲住宅を購入した時点で、土地と住宅の両方を所有するため、土地は資産として扱われます。
分譲住宅のデメリットは?
分譲住宅は、さまざまなメリットがある一方、デメリットも存在します。デメリットも把握したうえで、購入を検討してください。
外観や内装を選べない
分譲住宅は、あらかじめコンセプトが決まっていて、それに合わせたデザインや間取りで建築します。そのため、外観や内装は基本的に購入者が選べないことが多いです。場合によっては、ある程度のパターンから選択できるケースもありますが、限られたパターンのなかから選ぶことになります。
しかし、カスタマイズの幅が少ないとしても、デザイン性に優れた住宅が多いため、バランスのとれたマイホームが欲しい人には最適です。
施工会社が変えられない
入居後の住み心地は定期的なメンテナンスが影響するため、できるだけアフターフォローが充実している施工会社を選びたいです。しかし、分譲地は不動産会社やハウスメーカーが購入し、住宅を建てて販売しているため、分譲すると決定された時点で施工会社が決まっています。
そのため、自身がどんなに希望する施工会社があるとしても、あとから変更することはできないです。既存の施工会社に対し不安がある人は、購入する前にインターネットなどで会社の実績や口コミを調べてみましょう。信頼できる情報を得ることで、精神的な負担を軽減することにつながります。
オプションが少ない
分譲住宅は購入前に住宅が完成していることが多いため、断熱性や防音性など、住宅を建てる際にオプションで選択できるものが少ない場合があります。あらためて追加施工を依頼することもできますが、そうなるとコストが膨らむ可能性もあるでしょう。
オプションは購入する前に確認しておき、工事を依頼する際は、具体的な金額なども把握しておきましょう。
新築に住めない場合もある
分譲住宅は、購入者が決まっていない状態で販売元のスケジュールに合わせて建てるため、売れ残る住宅も存在します。売れ残った住宅は、完成から1年が経過すると新築の扱いではなくなります。見学に行った際にきれいな住宅だったとしても、新築かどうかを確認することをおすすめします。
しかし、新築から中古物件となった住宅は、価格が下がることもあり、完成後未入居の物件をお得に購入できることができます。
工事の経過が見られない
分譲住宅を購入する際は、完成した住宅を購入することが多いため、施工過程をみることはできません。注文住宅なら工事の経過を見られるため、行っている工事について質問や説明を受けられます。しかし、分譲住宅はできないため、信頼できる施工会社が建てている住宅を選ぶことがポイントになります。
分譲住宅の購入に向いている人は?
分譲住宅のメリットとデメリットを紹介してきましたが、これらを踏まえたうえで、分譲住宅の購入に向いている人についてチェックしていきましょう。
購入にかかるコストを抑えたい人
注文住宅や建売住宅よりも分譲住宅はコストを抑えられます。できるだけコストを抑えたい人に分譲住宅は適しているといえるでしょう。外観や内装・間取りなどにこだわりが少なく、自分が気に入った住宅ならよいという人にぴったりです。
また、土地をもっていない人や、土地と住宅を同時に購入したい場合にもおすすめです。
出来上がった建物を見てから購入したい人
完成した住宅をひと通り見てから購入を決めたいという人は、分譲住宅は最適です。同じ分譲地では、別棟が完成している場合もあるのでじっくり見学できるでしょう。また、住宅だけでなく分譲地の景観や街並み、商業施設や病院といった周辺環境なども考慮して決めたい場合にもおすすめです。
入居したい日が決まっている人
入居したい日が決まっている人には、分譲住宅はおすすめです。すでに完成している住宅なら、購入手続きを済ませて入居日まで新しい家具の選定や、引っ越しの準備など時間を有効活用できます。
手続きさえ完了していれば、引っ越しを進めていくことも出来るでしょう。入居日とは別に、早く新生活の準備をしたい場合にもおすすめです。
複数世帯の人
分譲住宅は、ファミリー層向けの住宅が多いため、二世帯などの複数世帯で生活する人にもおすすめです。また、子育て世帯をターゲットにした分譲住宅も多いので、これから出産を控えている世帯にもよいでしょう。
ファミリー層向けの分譲住宅は、同じような家族構成の人が集まります。また、周辺に学校や公園、商業施設などがある場合も多いので、快適かつ新たなコミュニティの構築にもつながるでしょう。
分譲住宅を選ぶ際のポイント
住宅の購入は人生のなかでも大きな買い物です。ライフスタイルやコストの面から、さまざまなメリットがある分譲住宅に着目する人もいるでしょう。
しかし、自分に合う住宅を見極めるにはいくつかポイントを押さえてチェックしなければなりません。ここでは、分譲住宅を選ぶ際のポイントを解説します。
見学時によく確認する
購入する前に見学できることが魅力の分譲住宅ですが、見学するときに細かいところまでよく確認することが重要です。見学する際は、事前にチェックポイントを調べて、メモしておくことをおすすめします。
住宅内部は、入居後に配置する家具や家電の置き場所に目星をつけたり、メジャーで採寸したりするのもひとつの方法です。コンセントや照明などの場所や数を把握しておきましょう。
また、見学会は費用面も教えてもらえることがほとんどです。購入費用のみならず、購入後のメンテナンスにかかるランニングコストも相談してみることをおすすめします。
治安や災害リスクなどを確認する
分譲地は地域の中心部から少し離れていることが多く、周辺地域が開発途中である場合も少なくありません。そのため治安や災害リスク、沿線や最寄り駅、バスなど交通の便などを情報収集しておくことも大切です。治安はインターネットから調べられて、災害リスクはハザードマップなどで確認できます。
沿線や最寄り駅、バスなどの交通に関する情報も、インターネットから調べられて、見学会などでも担当スタッフから教えてもらえます。また、商業施設や学校、病院などの生活に必要な条件についても確認しておきましょう。
施工会社や管理会社を確認する
分譲住宅に関わる施工会社や管理会社は購入する側で選ぶことはできないため、信頼できる会社かを調べて確認することも重要です。住宅の品質やアフターサービスに至るまで関係する大切なポイントです。
調べる際は、インターネットで会社の実績や所在地、評判や口コミなどを中心に見ておきましょう。とくに口コミは、よい口コミとそうではない口コミの両方をチェックして総合的に判断するのがコツです。
予算に合わせて物件を選ぶ
分譲地区によっては、トータルコストも異なります。そのため、自分の予算に合う物件選びが重要です。予算は事前に決めておき、住宅ローンを利用する際の頭金や、家具や家電の購入費用、引っ越し費用など見落としがちな費用も含めて算出します。
とくに住宅ローンは、年収をはじめとする諸条件により、希望金額を全額借りられるとは限りません。万が一、希望金額が借りられなかった場合も考慮して、今後の生活や預貯金との兼ね合いを含めて予算を決めましょう。
こちらの記事では、新築住宅の入居前にやることについて解説しています。役立つグッズや入居前の手続きも取り上げているため、是非合わせてご覧ください。
まとめ
今回は、分譲住宅のメリット・デメリットを中心に、購入に向いている人や住宅を選ぶ際のポイントを紹介しました。建売住宅や注文住宅に比べてコスト面が抑えられ、完成した住宅を見学してから購入を決められるなど、マイホームを希望する人にうれしいメリットがたくさんあります。
間取りや内外のデザインなどの自由度が低く、限られたバリエーションでのカスタマイズなど、若干の制限があることも事実です。しかし、地域の街並みやコンセプト、入居するタイミングや世代など、同じような家族構成の人が集まる可能性もあり、新たにコミュニティを構築したい人にぴったりです。
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