子育て世帯が2024年に家を購入するのがおすすめな理由は?
家を購入したいけれど、住宅ローンの支払いに不安を感じる人は多いでしょう。とくに子育て世帯の場合、子どもの将来のために事前に資金計画を立てておきたいはずです。
家の購入前に減税・優遇施策の内容を知っていれば、計画的にローンの支払いができるでしょう。今回の記事では、2024年の最新の住宅ローン減税や子育て世帯の優遇施策について解説しています。
家の購入を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
2024年の住宅ローン減税について
住宅ローン減税は、ローンを利用して家を購入したり増築したりする場合、一定期間にわたって所得税の一部が控除される制度です。制度を利用することで、ローンの返済負担を軽減させられるため、計画的な資金運用が可能となります。
2024年に新築住宅に入居する場合、控除対象となる借入金額の上限が4,500万円に引き下げられました。これは2023年入居では、上限が5,000万円でした。
借入額の残高の0.7%が控除率、控除期間が13年であることを加味すると、控除額としては最大で409.5万円減る(※住宅や世帯など諸条件あり)
計算になります。ただし、19歳未満の子がいる子育て世帯や、夫婦どちらかが40歳未満の世帯では条件が異なるため、注意が必要です。
上限額は今後も段階的に引き下げられることが決まっており、ローンを利用して家を購入するのは、早いほうがよいといえます。また、2024年以降は、長期優良住宅・低炭素住宅やZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅など、省エネ性能が高い住宅でなければ、控除を受けられません。
これまでは、新築であれば控除の対象になっていたため、日本において省エネルギーがどれだけ重視されているかがよく分かるでしょう。省エネ性能が高い家は、断熱性に優れていたり太陽光発電システムを導入していたりする場合が多いです。
控除を受けながら、快適な住環境を手に入れられるため、今後は省エネに特化したハウスメーカーや家を購入するのがポイントになります。近年は、建売物件でも省エネ性能が高い家が増えているため、購入時には性能面もチェックするようにしましょう。
新築住宅の床面積要件の緩和が延長される
減税の対象になるかどうかは、住宅の床面積も大きく関係しています。従来、住宅購入時に床面積が50㎡以上であることが減税を受ける条件でした。
しかし、2024年は改正に伴い、40㎡以上の場合でも2024年12月31日までに建築確認を受けていれば対象となります。ただし、合計所得が1,000万円以下の場合に限られます。
狭小住宅やコンパクトマンションも対象になる可能性があるため、これまで減税が受けられないことを理由に住宅購入に踏み切れなかった人も、2024年はチャンスの年になるでしょう。いつまで要件の緩和が延長されるのか、2025年以降のローン控除はどうなるのかは、税制改正大綱で決定されます。
家の購入には多額の費用が必要であり、少しでも控除を受けたいものです。損をせず、買い時を逃さないために、常に最新の情報を確認しておきましょう。
子育て世帯・若夫婦世帯には優遇施策がある
少子化が進む中で、19歳未満の子がいる子育て世帯・どちらかが40歳未満である若い夫婦の世帯には、家の購入において優遇施策が用意されています。結婚や出産をきっかけに、家の購入を検討する人は多いでしょう。
しかし、子育てには何かとお金がかかります。優遇施策を活用すれば、住宅購入費用や税金の負担を軽減させられるでしょう。ここからは、子育て世帯・若い夫婦の世帯が対象である具体的な施策を3つ、ご紹介していきます。
子育て世帯は2023年までの限度額が引き続き適用される
2024年からは、ローンの借入金額の上限が4,500万円に引き下げられました。しかし、子育て世帯・若い夫婦の世帯が2024年に家を購入して入居した場合、従来の限度額である5,000万円が適用されます。
受けられる控除額は年間最大で35万円であり、経済的な負担を大きく減らせるでしょう。負担を減らせる分、駅近くの土地を購入できたり予定よりも広い家を購入できたりと、選択肢が広がります。
ただし、今後も必ず従来の限度額が適用されるのかどうかは、断定できません。ローンの控除については、今後さらに引き下げられることが決定しています。
改正によって子育て・若年夫婦の世帯が享受できるメリットが大きい2024年は、家購入に最適だといえるでしょう。
【フラット35】子育てプラス
【フラット35】子育てプラスは、通常の【フラット35】の長期固定金利の安定性に加え、子育て世帯や若年夫婦世帯向けの優遇措置を提供するプログラムです。通常の【フラット35】では、以前から金利の下げ幅を最大0.5%にする制度を実施しています。2024年以降は、子育てプラスを新設すれば、子どもの数によって下げ幅が最大1.00%に拡充されます。
借入申込時に子どもがいる、かつ申込年度の4月1日に子どもの年齢が18歳未満である世帯と、申込年度の4月1日に夫婦のどちらかが40歳未満である世帯が対象です。たとえば、子どもが1人の世帯では、当初5年間の金利は0.25%引き下げられます。子どもが4人の家族では、当初5年間の金利は1.00%引き下げとなります。
安定した返済計画を立てられることと低金利の恩恵を受けることで、将来の家計運営がより安心できるものになるでしょう。ただし、金利引き下げの具体的な内容は年度によって異なるケースがあるため、最新の情報を確認する必要があります。
子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業は、国や自治体が提供する支援事業の一つです。子育て・若年夫婦世帯が、省エネ性能の高い住宅を購入したり、購入した住宅をリフォームしたりする際に、補助金が交付されます。
条件によって補助金額は異なり、2024年は長期優良住宅あるいはZEH住宅を新築する場合、最大100万円の補助金(ZEHの場合は80万円)を受け取れます。リフォームの場合は、対象工事や工事発注者の属性に応じて5万円から60万円の補助金を取得できます。
また、中古住宅を購入してリフォームしたり、リフォームで長期優良住宅に増築・改築したりする場合も、補助金の対象です。子育てによるライフスタイルの変化で、リフォームを検討する人にも朗報だといえるでしょう。
ただし、申請額が予算の上限に達し次第、申請の受付は終了してしまいます。2024年は子育て・若年夫婦世帯にメリットが多い支援策が充実しているため、早めの準備を心がけて、マイホームを取得しましょう。
こでご紹介した長期優良住宅には、新築で建てる場合には補助金制度を利用できます。詳細な条件を説明しておりますので、併せてご覧ください。
子育て世帯が住宅ローンを組む際の注意点は?
子育てには、教育費や日常生活にかかる費用が必要です。無理のない計画で、安心して新しい住まいでの生活を始めるためには、ローンを組む際の注意点を知っておく必要があります。
ここからは、子育て世帯が知っておくとよい注意点を3つ、ご紹介していきましょう。
変動金利・固定金利期間選択型は金利の変動を考慮する
固定金利でローンを組む場合は、返済期間中に金利が変動することはありません。しかし、固定金利以外の場合は、金利が上昇するリスクがあります。
金利が上昇すると、月々の返済額が増加し、家計への負担は大きくなるでしょう。現在、変動金利は非常に低金利ですが、いつ金利が上昇するのかは、誰にも予測できません。
仮に金利が上昇したとしても、自己資金や貯蓄などで対応できる人や、借入額が少なかったり返済期間が短かったりする人は、ダメージが少ないでしょう。しかし、家計に余裕がない場合は、金利の変動によるリスクを考慮しておかなければ、安心した生活を続けることが難しくなります。
低金利が魅力である変動金利ですが、その分リスクは高いということを理解しておきましょう。
マネープランを立てる
ローンを組む前には、必ずマネープランを立てましょう。収入と支出を詳細に把握し、毎月どれくらいの金額を返済に充てられるのかを確認することが大切です。
プランを立てる際には、生活に変化が起きても対応できる余裕を持っておくとよいでしょう。ローンを組んだあとに転職して年収が減ったり、急な怪我・病気に見舞われるケースがあるからです。
また、子どもの習い事や受験など、お金が必要になる教育の方針についても、家族で話し合っておくとよいでしょう。ある程度必要なお金が把握できれば、マネープランに組み込むことができます。
自分でプランを立てるのが困難な場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談しましょう。専門家のアドバイスを受けたうえで、適切な借入金額でローンを組むことをおすすめします。
借入のリスクを考慮する
十分な返済計画を立てていたとしても、返済が困難になる場合があるでしょう。どうしても支払いができない場合、まずは金融機関に相談してください。
一時的に返済額を減らしたり返済の期間を延長したり、猶予が受けられる可能性があるからです。ただし、手続きに手数料がかかる場合があり、返済総額としては高くなるおそれがあります。長い目で見て、最終的には完済できそうだと判断できるのであれば猶予を受けるとよいでしょう。
猶予を受けてもなお返済が困難な場合、家を売却することになってしまいます。さらに、売却額がローン残債よりも少なければ返済はできません。
理想の家を手放さなくて済むように、借入する際は、金利上昇のリスクをはじめ、ライフスタイルの変化によるリスクや、怪我・病気などの予期せぬ出来事に備えられるよう計画を立てましょう。
まとめ
家の購入を検討している子育て中・若年夫婦世帯にとって、2024年はチャンスの年だといえます。従来の借入金額が適用されたり【フラット35】子育てプラス・子育てエコホーム支援事業が用意されていたりと、嬉しい施策が盛りだくさんだからです。
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