キッチンに必要なコンセントの数や位置とは?増設方法や注意点も解説

マイホームを計画している方の中には、キッチンにおけるコンセントの数や位置について悩む方も少なくありません。キッチンに限らず、コンセントの不足や位置が悪いと少なからずストレスの原因となるでしょう。
そこで今回は、キッチンに必要なコンセントの数や位置だけでなく、増設する場合の方法や注意点、コンセント設置におけるおすすめの場所、家電製品の消費電力などを詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
キッチンに必要なコンセントの数
キッチンに置かれている家電の中には、常にコンセントへ接続するものがいくつかあります。そのため、6つ程度を目安に設置が必要とされています。
キッチンに置かれている主な家電は、冷蔵庫や電子レンジ、オーブントースター、炊飯器などがあり、これらの家電を使うだけでも4つのコンセントが必要です。
また、コーヒーメーカーやミキサー、ソーダストリームなど家庭の状況に応じて使用する家電がさらに増える可能性もあります。これらをストレスなく使用するために、コンセントは多めにある方が良いでしょう。そのため、6つ程度を目安とし、ライフスタイルに応じて設置すると良いでしょう。
キッチンに設置するコンセントの増設方法
コンセントは差し込み口を増やす、分岐させる、新規で電線を引くことで増設できます。それぞれメリット・デメリットを踏まえて具体的に解説します。
差し込み口を増やす
ひとつめは、差し込み口を増やす方法です。比較的簡単な方法で、電気配線の変更なく開口部を少し大きくするだけで増やせることから、比較的工事費用を抑えられます。
ただし、差し込み口が増えても利用できる電力量は変わらないため、家電をフル稼働してしまうとブレーカーが落ちる可能性があります。同時に家電を使用しないことや消費電力の少ない家電を使用するなど対策を考えて使用しましょう。
既存のコンセントから分岐させる
既存のコンセントから分岐させることでコンセントを増設できます。すでにあるコンセントから電線を新しく伸ばしてコンセントを増設する方法です。差し込み口を増やす方法とは異なり、コンセントが付いていない場所にも新しいコンセントが設置可能で、使いやすい位置にコンセントを追加できます。
ただし、差し込み口を増やす方法と同じく、使用できる電力量は変わらないため、分岐させる配線が消費電力の大きい家電につながっている場合などは注意しましょう。家電の種類や使用方法にあわせて、余裕のある配線を分岐させることが重要です。
分電盤から新規で電線を引く
分電盤から新規で配線を引くことでコンセントを増設できます。独立して新しい配線を引くため、契約している電力量の範囲内であれば消費電力の大きい家電も使用できるでしょう。
ブレーカーが落ちるリスクや発熱による火災の危険を減らせるだけでなく、家電も安定して使用できます。また、回路を分けておくことで、トラブル時の原因特定も容易です。
ただし、分電盤に増設できる分のスペースが必要になり、スペースがない場合は新しいブレーカーの設置や分電盤の交換などが必要になります。また、大掛かりな工事の場合、工事費用が高くなる可能性があります。
キッチンへ設置するコンセントに関する注意点
簡単に取り組めるものもあることから、コンセント増設を検討している方も少なくありません。しかし、注意すべきポイントがあり、理解しないとおもわぬトラブルを招く可能性があります。ここからは、キッチンへ設置するコンセントに関する注意点について解説します。
増設するには「電気工事士」の資格が必要
コンセントの増設は、単に差し込み口を増やすだけでなく、電気配線を変更・延長する作業を伴うため「電気工事士法」により資格が必要とされています。無資格での工事は法律違反となるだけでなく、事故や火災の原因になるなどの危険性があります。
とくに、新たに配線を引いたり、壁内の工事をしたりする場合は「第二種電気工事士」以上の資格が必要です。市販の延長コンセントを使うのとは異なり、適切な電線の接続や安全管理が求められるため、必ず資格を持つ専門業者に依頼しましょう。
※出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/detail/koji.html)
無資格の場合は業者へ依頼する
上記でも解説したとおり、コンセント増設などの作業には電気工事士の資格が必要です。そのため、無資格の場合は業者へ依頼しましょう。
まずは見積りを取って、どんな作業をするのか確認しましょう。 業者によって金額やサービスは異なります。後悔することのないよう、複数の業者から見積もりを取って、金額やサービス、依頼への応対など比較するとよいでしょう。
また、業者選びの際は過去の実績をよく確認しましょう。経験豊富な業者の方が高品質な工事や作業時間短縮などが期待できます。工事前に現場に来てもらい取り付け希望位置なども共有しておくと、トラブル回避に役立つでしょう。
キッチンではタコ足配線の設置を避けるべき理由
タコ足配線は、手軽にコンセントの差し込み口を増やせます。しかし、タコ足配線や延長コードの同時使用できる容量は1500Wと決まっているため、電力量は同じです。
そのため、コンセントが複数あることで容量以上の電力を使用する可能性が高く、頻繁にブレーカーが落ちやすくなります。
また、トラッキング現象が起きる可能性もあります。トラッキング現象とは、ほこりや水分を介して異常発熱や発火する現象で、火災などの大事故を招く可能性があります。
とくに、キッチンで使用する家電は消費電力の大きいものが多く、火災の危険が高いためキッチンでのタコ足配線は避けましょう。
キッチンに置く家電の消費電力
キッチンで使用する家電は、消費電力の大きいものが多くあります。ひとつのコンセントで使用できる電力は1500Wと決まっており、同時に使用するとブレーカーが落ちてしまうなどのトラブルを招く可能性があります。
ほかにも、消費電力が大きいと熱を発生しやすく、火災などの危険もあるだけでなく、電気代も高くなります。このようなトラブルを防ぐためにも、各家電の消費電力について知っておくと良いでしょう。
正確な消費電力は、メーカーや型式によって異なります。そのため、使用している家電製品にある表示を確認しましょう。各家電の消費電力の目安は以下のとおりです。
家電製品 | 消費電力(W) |
冷蔵庫 | 150W〜500W |
電子レンジ | 500W〜1500W |
炊飯器 | 350W〜1400W |
オーブントースター | 1000W〜1500W |
ミキサー | 100W〜400W |
コーヒーメーカー | 450W〜1200W |
食器洗浄機 | 600W〜1300W |
ホットプレート | 700W〜1400W |
たこ焼き器 | 600W〜800W |
電気ポット | 700W〜1300W |
IH調理器 | 700W〜3000W |
ジューサー | 100W〜300W |
ワッフルメーカー | 550W〜930W |
アイスクリームメーカー | 10W〜40W |
キッチンに必要なコンセントの数や位置を決めるコツ
キッチンに必要なコンセントの数や位置は、ライフスタイルによって異なるため、明確な決まりはありません。そのため、どこにどの程度のコンセントが必要か迷ってしまう方も少なくありません。ここからは、コンセントの数や位置を決めるコツについて解説します。
現時点で使っている家電の数を目安にする
明確な指標がない場合、現時点で使っている家電の数を目安にすると、キッチンに必要なコンセントの数を決めやすくなります。
使っている家電の中にも、常にコンセントへ接続するものやたまに接続するものなどさまざまです。まずは、常にコンセントへ接続する家電をリスト化しましょう。
キッチン周りで常にコンセントへ接続する家電は、炊飯器や冷蔵庫、電子レンジ、オーブントースターなどがあり、この時点で4つのコンセントが必要になります。
まずは、現時点で使っている家電の数を目安にして、その中でも常にコンセントへ接続するものとしないものに分けると確実に必要なコンセントの数が明確になるでしょう。
家電の使用頻度を考慮する
家電の使用頻度を考慮することで、必要なコンセントの数だけでなく、設置する場所も決めやすくなります。
使用頻度の高いものであれば、常にコンセントを使用する可能性も高いです。また、作業しやすいところに設置すると便利です。逆に、使用頻度が少ないものであれば、メインとなる場所以外にコンセントを設置することも可能です。
このように、使用頻度を考慮することでコンセントの数や位置についても具体的に考えやすくなります。
コンセントは多めに設置する
現状で使用している家電を目安にコンセントの数を決めてしまうと、将来的に家電が増えた場合に困る可能性があります。そのため、多めに設置しておくのもひとつの方法です。
ライフスタイルが変わり、新しい調理家電や食洗機などを導入するかもしれません。そうなった場合、コンセントが不足する可能性があります。
また、コンセントを新たに設置する場合、手間や工事費用が発生するためコンセントは多めに設置しましょう。使用しない場所には、コンセントキャップを利用し、ほこりなどを防ぐことで安全性も保てます。
家電の大きさを考慮する
コンセントの位置を決める際は、家電の大きさも考慮しておきましょう。とくに、現状の大きさで場所を決めてしまわないよう注意が必要です。
ライフスタイルの変化や家電の故障などで、家電製品を買い替えることもあります。冷蔵庫などは容量によってサイズも変わり、既存の冷蔵庫サイズにあわせてコンセントの位置を決めると冷蔵庫に隠れてしまい使いづらくなることも考えられます。
このような事態を防ぐためにも、家電製品の大きさを考慮した配置決めが大切です。ライフスタイルの変化なども踏まえて検討しましょう。
食卓周りにもコンセントを設置する
食卓周りにコンセントを設置するのも検討しておくと良いでしょう。ホットプレートなど食卓で家電を使用したい場合、近くにコンセントがないと延長コードを使い電源をとる必要があります。
そうした場合、コードが長くなり引っ掛けて転倒するなどの危険性が高まります。キッチン周りにコンセントがあれば、わざわざキッチンやそのほかの場所から電源をとる必要がなくなり、安全かつ快適に使用できます。
水回りにはアース付きコンセントを設置する
水回りにコンセントを設置する場合は、アース付きコンセントを設置しましょう。アース付きコンセントは、漏電やトラッキング現象時の感電を防止するアース線を接続するためのコンセントです。
アース線が付いているキッチン回りの家電には、電子レンジや冷蔵庫、食洗器などがあります。水回りや湿気の多い場所などではアース線の接続が義務付けられているため、あらかじめアース付きコンセントを設置しておくことがおすすめです。
キッチンへコンセントを設置する際におすすめの場所
キッチンにコンセントを設置する場合、必要な個数だけでなく設置場所も重要なポイントです。使い勝手良く安全に家電を使用するためにおすすめのコンセントの位置について解説します。
常設家電の近く
常設家電は、常にコンセントへ接続しておく必要があります。そのため、コンセントは常設家電の近くに設置しましょう。
常にコンセントへ接続する必要がある家電の近くにコンセントがない場合、コードを伸ばして使用することになります。そうした場合、作業しづらくなるだけでなく、コードに足を引っ掛けて転倒するなどの危険性が高まります。
冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器などの一般的な常設家電の近くにはコンセントを設置しましょう。作業効率やストレス軽減、安全性向上に役立ちます。
背面
家電の背面にコンセントがあると、コードを隠せるため見た目がスッキリします。また、作業動線をまたがずに使用できるため安全性も確保できるでしょう。
背面コンセントがおすすめの家電は、冷蔵庫や電子レンジ、オーブントースターなどがあります。これらの家電は使用頻度も多く、リビングから見えやすい位置にある場合も多いため、配線コードの見栄えが気になる方も少なくありません。背面コンセントを活用すれば、コードを隠しつつ快適に使用できるでしょう。
カウンターテーブル
カウンターテーブルにコンセントがあれば、キッチンのコンセントを使用せずに電気ケトルやミキサーなどの家電製品を快適に使用できます。そのため、カウンターテーブルにコンセントを設置するのもおすすめです。
ほかにも、スマートフォンを充電したり、パソコンやタブレットをつないだりする際などにも活用できます。このように、キッチンにあるコンセントを使用しなくても家電製品が使用でき、さまざまな使い方ができる点も魅力のひとつです。
こちらの記事では、天井の高さの平均について解説しています。低い天井との違いや部屋ごとに適した高さも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
キッチンで使う家電の中には、常にコンセントへ接続しながら使用するものがあるため、コンセントは6つ程度あると良いでしょう。しかし、実際に必要となるコンセントの数は、各家庭で使用する家電製品によって異なるためライフスタイルにあわせて設置するのがおすすめです。
コンセントは、差し込み口を増やす・配線を分岐させる・分電盤から新規で配線を引くことで増設できます。しかし、電気に関わる工事は電気工事士の資格が必要となるため注意しましょう。
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