パントリーとは?必要性や設置する際に押さえるべきポイントを解説

注文住宅を建てる際、収納の数、面積をどの程度にするかで迷う方は多いのではないでしょうか。そのなかでも、近年、食品を収納するパントリーの設置について悩む方が増えています。
とくに、共働き世帯では週末に食料品をまとめて購入してストックしたい方も多く、パントリーがあれば安心です。ただし、設置する場合はスペースやコストなども気になるところです。
そこで今回は、パントリーの概要やメリット・デメリットを紹介します。要不要の判断基準、設置する際のポイントも解説するため、ぜひ参考にしてください。
目次
パントリーとは
パントリーとは、食品をストックするためのスペースです。広義では食品以外に食器や調理器具などを含める場合もあるものの、基本的に収納するのは食品が中心となります。
パントリーは、元々は古いフランス語で「 パンの貯蔵庫」を意味し、ホテルの厨房に隣接した配膳室を指す際に使われていた言葉です。しかし、近年では一般的な家庭のキッチン周辺に設置され、主に食品を保存するスペースを指す言葉になっています。
パントリーの種類はキッチンの一角に棚や収納庫を設置するウォークスルー型、独立したスペースに設置するウォークイン型の大きく2つです。キッチン自体の大きさや家事動線などに合わせて選択します。
パントリーの必要性を判断する基準
パントリーは、何となく便利そう、流行っているからなど漠然とした理由だけで設置すると、うまく活用できず後悔する可能性があります。自分たちの家にパントリーが必要かどうかを事前に判断するには、次のような基準を設けて考えるとよいでしょう。
- 家族の人数
家族の人数が多い家庭ではパントリーがあると便利です。日常的に利用する食品のほか、非常食もパントリーがあるとまとめて保存しておけます。
また、現状では人数が少なくても、将来的に子どもが増える可能性がある場合は、パントリーの設置がおすすめです。子どもが生まれる前は他の荷物を収納し、生まれてからはパントリーとして使うといったことも可能です。
- ライフスタイル
夫婦でどちらかが家にいて毎日買い物に行けるのであれば、パントリーがなくても問題はありません。しかし、共働きであったり、毎日買い物に行くのが難しかったりといった場合は、まとめ買いが増えるためパントリーの設置がおすすめです。
- キッチンの広さ
家の間取り上、どうしてもキッチンを広く取れない場合はパントリーの設置は難しい可能性があります。キッチン内がさらに狭くなり、料理をすることがストレスになってしまうことも考えられるため、別の方法を考えた方がよいでしょう。
パントリーを設置する際のポイント
パントリーの設置を決めた場合でも、どのようなタイプにするか、サイズや棚の数などいくつか決めておく必要があります。ここでは、項目別に設置する際のポイントを見てみましょう。
家事動線
基本的に、パントリーはキッチンの周辺に設置します。そのため、家事動線はしっかりと考えておかないと使いづらいキッチンになってしまいます。
たとえば、食器を置く棚と離れた場所では何度も往復が必要です。冷蔵庫にないものをパントリーから取り出すことを考えれば、冷蔵庫とパントリーが離れているのも不便になります。できるだけ距離をとらず、スムーズに料理を作れる動線を考えたうえで設置しましょう。
扉の有無
パントリーに扉を付けるかどうかの検討も重要です。扉がないタイプを選択した場合、どこに何が入っているかがすぐにわかり、取り出しがスムーズに進むメリットがあります。
しかし、扉がないと常に見た目に配慮する必要があります。とくに、リビングから見える位置にパントリーがあると、お客様が来た際の見栄えも悪いため、常に整理整頓するのが難しい場合は扉の設置がおすすめです。
スペースや予算の都合で扉付きのパントリー設置が難しい場合は、ロールスクリーンやカーテンなどを付けておくとよいでしょう。
棚数・奥行き
棚数や奥行きをどうするかは、事前に収納するものを想定し、決める必要があります。奥行きを深くすれば収納量は増えるものの、スペースを取るうえ、奥にある食品を取りにくくなり、消費(賞味)期限などの管理が難しくなります。
取り出しがしやすい奥行きのサイズは30〜45cmが一般的です。キッチンのサイズも考慮して、最適なサイズを選択しましょう。
棚数は缶詰、瓶類、ペットボトル、野菜などカテゴリをおおまかに決めておき、それに合わせて決めます。多過ぎてもかえって整理しにくくなる場合もあるため、最初は少なめにしておき、状況に応じて増やしていくとよいでしょう。
換気
ウォークイン型のパントリーにする場合、換気への配慮も重要です。とくに、野菜や果物など生鮮食品を保存する際は、閉め切った状態にしておくと湿気がたまり、早く傷んでしまう可能性があります。扉を設置する場合は、小窓や換気扇を付け、十分に換気を行うようにしましょう。
パントリーを設置するメリット
パントリーを設置することで得られる主なメリットは「保管できる量が増える」「見栄えがよくなる」「欲しいものを見つけやすくなる」の3つです。ここでは、それぞれについて詳しく見てみましょう。
食料品を多く保管できる
パントリーを設置すれば、単純に収納できる食料品の量が大幅に増加します。常温保存できるものに限られるものの、ペットボトルや食用油など収納場所を取るものを安い価格のときにまとめて買っておけるのはパントリー設置の大きなメリットです。
また、お米やウォーターサーバーの水など重量のあるものを保管できるのもパントリーならではのメリットといえます。キッチン以外の場所に保管すると移動の手間がかかるため、パントリーを設置することで、一人しかいないときでも楽に出し入れが可能です。
キッチンの見栄えがスッキリする
収納庫が増えることで、キッチンの見栄えがスッキリするのもパントリーを設置するメリットです。さまざまな調味料がシンク周辺にあると見栄えが悪いだけではなく、掃除もしにくくなり、キッチンの汚れが目立つようになります。
また、小麦粉や片栗粉などは袋から出し、お気に入りのガラス密閉瓶に入れ、ラベルをわかりやすく貼っておけば見栄えがよくなるうえ、楽しい気分で料理を作れます。
収納したものを探しやすくなる
適切に整理整頓することが求められるため、収納したものを探しやすくなります。棚をうまく使い、頻繁に使うものとストックしておくものに分ければ、どこに何があるかわかりやすく、探し出すための時間を短縮できます。
パントリーを設置するデメリット
パントリーを設置する際には、いくつかのデメリットがあることも把握しておく必要があります。具体的には費用とスペースがかかる点、使い方によっては不便になる点です。ここではそれぞれについて詳しく解説します。
設置するための費用が発生する
パントリーを設置するには当然ながら費用がかかります。リフォームの場合で目安としてはタイプにもよるものの、棚を設置するだけであれば5〜10万円程度で可能です。また、キッチンが広くウォークイン型のスペースがあるもので、10〜50万円程度で設置できます。
新築の注文住宅で新たにパントリーを設置する場合、棚だけであればリフォーム時とさして変わらないものの、ウォークイン型は2帖程度でも数百万円かかる場合もあります。
ある程度広いスペースが必要となる
パントリーを設置したキッチンでスムーズに作業するにはある程度広いキッチンスペースが必要です。また、広いキッチンスペースを取る場合、家全体のスペースに余裕がなければ、キッチンを広げる分、他の部屋を狭くする必要があります。
家全体のバランスや使い勝手を考えたうえで設置しないと、暮らしにくい家になってしまうのはデメリットといえるでしょう。
使い方次第では不便になってしまう場合がある
パントリーを設置して収納容量が増えたからといって、無造作に収納をしているとどこに何があるかわかりにくくなり、かえって不便になる可能性があります。
どこに何をしまうかを決めておき、常に整理整頓をしておかないと、せっかくのパントリーも使わなくなる可能性があります。
パントリーへ収納する際のコツ
パントリーのメリットを活かし、いつまでも便利に使うには収納のコツを理解する必要があります。ポイントは上部・中部・下部の3つに分けて整理することです。ここでは、それぞれの場所へうまく収納するためのコツを解説します。
上部
パントリー上部は基本的に踏み台を使わないと届かない場所になるため、消費(賞味)期限が長く頻繁に使わないものを収納しましょう。
ただし、缶詰やストック用の調味料など比較的重量があるものは、地震などが起きた際に危険なため、スポンジやポリ袋、プラスチック製の食器など軽いものを置くのがおすすめです。
中部
中部は目線の位置になるため、もっともよく使う食料品や調味料を収納します。パスタやうどん(乾麺)なども中部に置いておくと、すぐに使えて便利です。
また、消費(賞味)期限がある食料品も中部に収納します。手前に消費(賞味)期限の早いもの、奥にまだ余裕があるものを置くようにしましょう。
下部
下部は定期的に使うもののなかでも重量があるもの、かさばるものを収納します。具体的にはお米、ペットボトル、ウォーターサーバーの水、食用油、缶詰などです。
また、重量のあるものは棚に直置きするのではなく、キャスター付きのケースに入れておくと出し入れが楽になります。
まとめ
パントリーとは、キッチンに設置して主に食品をストックするためのスペースです。近年、パントリーの認知度が高まり、住宅のリフォーム時や新築の注文住宅建設時、キッチンにパントリー設置を検討する方が増加しています。
常温保存できる食料品のほか、調味料や食器、調理家電なども収納できるため、とくに大家族や週末にまとめ買いをする共働き世帯に人気です。また、キッチンがスッキリして見栄えがよくなるとして、パントリーを導入するケースが増えています。
ただし、パントリーを設置することでキッチンのスペースが狭くなったり、設置場所によってはキッチン内の動線が悪くなったりする可能性もあります。そのため、設置する際はキッチン内の間取りや家全体のバランスを考えることが重要です。
パントリーを設置したいものの、具体的なイメージがわかないといった際には、モデルハウスへの訪問もおすすめです。
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