岡山の住宅に関する補助金は?全国共通・市区町村別にどんなものがある?
昨今は、住宅に関する制度が整い、補助金の受給が一般的に行われるようになりました。とくに人口減少問題を抱えている地方都市では、子育て世帯向けの住宅補助金制度に力を注いでいる市区町村もあります。
そこで、今回は岡山県の住宅に関する補助金制度についてご紹介します。全国共通の補助金から、岡山県の市区町村限定で利用できる補助金制度まで取り上げるため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
全国共通|岡山の住宅に関する補助金
まずは、全国共通で利用できる住宅に関する補助金について解説します。どの補助金制度も条件さえ満たしてしまえば誰でも利用が可能です。住宅を建てる予定がある人は、ぜひ参考にしてください。
こどもエコすまい住宅支援事業
こどもエコすまい住宅支援事業とは、住宅の省エネ化の推進を目的とした国土交通省による補助金事業です。新規住宅の購入、建築の場合は100万円、リフォーム工事の場合は30~60万円の補助が受けられます。
補助対象となるのは、令和4年11月8日までに対象工事の着手をしていない物件です。申請期間の締め切りは令和5年12月30日なので、申請の際は注意してください。
※補助金申請額が予算上限に達した為、2023年9月28日をもって交付申請(予約含む)の受付を終了しました。
こどもエコすまい住宅支援事業の補助金を受給するためには、住宅に子育て世帯または若者世帯が住む、住戸の延べ面積が50平方メートル以上、土砂災害特別警戒区域に立地しない、都市再生特別措置法により、当該住宅に係る届出をした者が規定による勧告に従わなかった旨の公表がされていないなど、4つの条件を満たす必要があります。1つでも条件を満たしていない場合は、補助金制度を利用できません。
そのほかの注意点として、予算上限があるため、補助金制度を利用した場合は、早めに申請するのをおすすめします。また、すべてのハウスメーカーや工務店で利用できる制度でもないため、ハウスメーカーや工務店を探す際はこどもエコすまい住宅支援事業の補助金制度を利用できるか必ず確認しましょう。
住宅の断熱性向上のための先進的設備導入促進事業
住宅の断熱性向上のための先進的設備導入促進事業とは、経済産業省によって設置された住宅の補助金制度です。既存住宅の断熱性能を高め、断熱窓への改修による即効性の高いリフォームを推進するための制度で、上限金額は200万円に設定されています。
住宅の断熱性向上のための先進的設備導入促進事業の対象となる住宅は、戸建住宅、3階建以下の集合住宅である低層集合住宅、そして4階建以上の集合住宅である中高層集合住宅です。また、全世帯が制度利用の対象となっています。
注意すべきポイントは、補助の対象は窓に限定される点です。新築の家も対象外で、制度が適用されるのはリフォーム工事のみになります。
また、補助金の申請が30万円以上になる場合は、既存住宅の証明が必要です。そのため、既存住宅であることが確認できる書類、建築確認における検査済証の写しや住民票の写しをあらかじめ用意しておきましょう。
そして、対象となる契約は令和4年11月8日から令和5年12月31日の間に締結されたものに限られます。制度を利用する際は、契約期間に注意しましょう。
高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金
高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金は、エネルギーの安定供給や省エネ、新エネルギー政策を所管する資源エネルギー庁の補助金制度です。家庭でのエネルギー消費量を削減するために必要な高効率給湯器の導入に必要な費用に対する補助金の受給を行なっており、補助額は5〜15万円に設定されています。
新築か既存住宅かはとくに関係なく、基本的にはすべての世帯が補助金の受給が可能です。ただし、補助の対象となる給湯器を所有していない住宅は対象から外れます。
申請期間は令和5年3月下旬から令和5年12月31日までですが、予算上限に達した時点で申請の受付が終了するため、補助金を利用する場合は、早めに申請を行いましょう。
市区町村別|岡山の住宅に関する補助金
全国共通で利用できる補助金制度について、ご理解いただけたでしょうか。続いては、岡山県で利用できる住宅に関する補助金の解説をします。住宅を建てる市によって異なる補助金制度について、順番にみていきましょう。
岡山市
岡山市は、岡山県の県庁所在地です。全国に20ある政令指定都市の1つでもあり、瀬戸内海特有の温暖な気候の恩恵をふんだんに受けているため、中国地方の中でも暮らしやすい市として知られています。
岡山市では、さまざまな住宅に関する補助金制度の利用が可能です。とくに昨今は地方都市の人口減少問題を岡山市も抱えている影響もあり、移住者向けの補助金制度が充実しています。
たとえば、岡山市への移住と定住の促進、そして中小企業等における人手不足を解消するために、岡山市移住支援金という制度が作られました。支援金を受けるためには、岡山市に転入する直前10年間のうち、通算5年以上東京23区内など岡山市が指定した地域に在住していた経験を持つなどの条件を満たす必要があります。
令和5年度の岡山市移住支援金の申請受付は、予算に達したため申請受付は終了していますが、令和6年3月下旬ごろに市の公式ホームページなどで案内情報が掲載される予定になっているため、制度を利用したい人はチェックしてみましょう。
移住者向けの補助金制度は、岡山市移住支援金だけではありません。条件を満たした移住者や二拠点居住者が利用できる移住者・二拠点居住者向け中古住宅購入・リフォーム補助という制度もあります。こちらは岡山市内の中古住宅の購入、リフォームをする人が利用可能な制度で、購入する場合の上限は30万円、リフォームする場合の上限は20万円です。
住宅の購入をしない場合は、県外から移住または二拠点居住される方への家賃補助制度を利用しましょう。対象となる民間賃貸住宅入居後、最長6か月分の家賃および仲介手数料、家賃債務保証の保証料のそれぞれ一部の補助が受けられます。上限額は33,000円で、15,000円以内の物件を借りる場合は、全額自己負担となるため注意してください。
また、岡山市では岡山市住宅用スマートエネルギー導入促進補助事業も行われています。こちらは脱炭素社会の実現に向け、太陽光発電設備など、市内の住宅にスマートエネルギー化に資する機器を導入した人や、電気自動車に代表される環境性能にとくに優れた自動車等を導入した人に対して、経費の一部を助成する事業です。補助金の上限は経費の30%程度で、上限は15万円に設定されています。
倉敷市
倉敷市は、瀬戸内海に面した自然豊かな街です。岡山県自体が温暖な気候で晴れになる日が多いため、晴れの国とも呼ばれています。中国地方では3番目の人口規模を誇っており、都市機能も充実しているため子育て世帯にとって暮らしやすい街といえるでしょう。
倉敷市ではほかの地方都市と同じように、倉敷へ移住する世帯に対する支援を行なっています。移住に向けたサポートサービスを提供している移住受入支援コーディネーターもいるため、手続きや準備に関する疑問を解消しやすいのが魅力です。
もちろん、倉敷市では移住支援金の支給も行われています。倉敷市の移住支援金の対象範囲は広く、東京圏から倉敷市内へ移住、または定住し、かつ岡山県が行う就労のマッチングサイトに移住支援金の対象として掲載する求人に就業した人や、国および県の専門人材に関する事業により就業した人、テレワークにより倉敷市に移住した人などが条件を満たしていれば、移住支援金の受け取りが可能です。交付される支援金の金額は単身世帯が60万円、2人以上の世帯が100万円に設定されています。
住宅に関する制度として、すまい給付金の利用もおすすめです。消費税率の引上げによる住宅取得者の負担を緩和するために創設された制度で、最大50万円の給付金が受け取れます。申請期限は引っ越しから1年3か月以内のため、期限に余裕がある間に申請は済ませてしまいましょう。
既存住宅を所有している場合は、長期優良住宅化リフォーム推進事業の給付金の利用もおすすめです。長期優良住宅化リフォーム推進事業は、良質な住宅ストックの形成、および子育て世帯が過ごしやすい生活環境の整備のために、既存住宅の長寿命化や省エネ化などの性能向上リフォーム、そして改修に対する支援を行う事業です。リフォームを目的とした工事であれば、戸建て住宅も共同住宅も補助金支給の対象となります。
また、岡山に移住したものの、離職や休業によって収入が減少し、経済的に困窮した人は倉敷の福祉援護課にて住居確保給付金の受給が可能です。給付の対象は就労能力および就労意欲があり、かつ住宅を失う可能性がある人に限定されています。支給される給付金の額は世帯数によって異なりますが、最大55,000円まで受給が可能です。
瀬戸内市
瀬戸内市は、岡山県の東南部に位置する市です。緑豊かな丘陵をはじめとした自然に恵まれた街で、美しい瀬戸内市の景観や西日本最大級のヨットハーバーを見るために、県内外から多くの観光客が足を運んでいます。気候は瀬戸内海に面した街らしく、とても温暖で冬場も雪はほとんど降りません。
自然環境や気候もよいですが、瀬戸内市自体の住み心地も良好です。18歳までの子どもの医療費が無料、待機児童を減らす試みとして保育園や認定こども園の整備が進められるなど、とくに子育て世帯にとって暮らしやすい街といえます。
近年は瀬戸内市へ移住する人や世帯を支援するために、さまざまな制度の整備が行われてきました。たとえば、瀬戸内市移住支援事業補助金制度は、いくつかの条件を満たすことで単身世帯は60万円、2人以上の世帯は100万円の補助金の受給ができる制度です。ちなみに、18歳未満の世帯員と一緒に移住した場合は、18歳未満の世帯員1人につき100万円が加算されます。
市が販売している牛窓西浜団地に住宅を建築し、定住する住宅の所有者を対象に整備された瀬戸内市定住促進補助金という制度の利用もおすすめです。補助金の額は分譲価格の3割で、申請には建物の登記事項証明書の写しや住民票の写しなどが必要になります。あくまで瀬戸内市の定住者を対象とした補助金のため、別荘など一時的に使用する目的の建物や、賃貸に対しては利用できません。
また、経済的な理由で結婚に踏み切れない若者を支援するための制度として、新婚世帯向け家賃補助制度もあります。補助の内容は住居費や引っ越し費用など、新生活を始めるために必要な費用で、婚姻日における夫婦2人の年齢が29歳未満の場合は、60万円、39歳以下の場合は、30万円まで受給可能です。ただし、こちらの制度は予算に達した時点で受付が終了するため、申請は早めに行いましょう。
※申請受付期間は令和5年6月1日から令和6年3月8日まで
赤磐市
赤磐市は、岡山市に隣接しているため、岡山市のベッドタウンとも呼ばれている街です。温暖な気候と自然に恵まれており、果物をはじめとした農産物の生産も盛んに行われています。
ベッドタウンだけあって岡山市へのアクセスがしやすく、通学や通勤にとても便利です。山陽自動車道の山陽インターチェンジの入り口もあり、県外へ出かける際に重宝します。子どもの医療費の助成や子育て支援センターもあり、子育て世帯にとって暮らしやすい環境が整っている街といえるでしょう。
そんな赤磐市では、定住人口の増加のために定住促進奨励金交付制度という制度を設けています。市が所有している分譲土地を購入するなどの条件を満たし、1年以内に家を建てて定住する人が対象です。1戸あたり20万円、義務教育以下の子どもがいる場合は、子ども1人あたり20万円ずつ追加で奨励金が交付され、2013年からはさらにスマート住宅を建築する場合も20万円奨励金が加算することになりました。
住宅に関する補助金制度として、赤磐市安心・快適住宅リフォーム補助金制度もあります。こちらは読んで字のごとく、市の建築業者を利用して住宅のリフォームを行う世帯に対する補助金制度です。対象となるリフォームの工事の経費が50万円以上の場合、20万円を上限に経費の一部を予算の範囲内で補助してくれます。
※2023年10月現在申請額が予算額に上限に達成した為申込み終了。
新婚世帯の場合は、赤磐市新婚世帯家賃補助金制度の利用もおすすめです。婚姻届の提出後、2年以内に赤磐市で賃貸住宅の契約をした新婚世帯に対して、家賃の助成が行われます。1世帯あたり最長で12か月、月額最大1万円の補助金を受け取ることが可能です。
赤磐市新婚世帯家賃補助金制度は賃貸物件のみを対象としていますが、赤磐市の空き家情報バンク制度を利用して住宅を購入又は賃借する岡山県外からの移住者は、空き家改修費補助金制度が利用できます。補助金の助成対象となるのは住居の機能を回復するための工事に限定されますが、100万円を上限に補助対象工事費の2分の1まで補助金の受給が可能です。
玉野市
玉野市は、岡山県の南端に位置する温暖な気候の港町です。市の中心部にある宇野港は岡山県の玄関港としての役割を果たしており、本州と四国を結ぶ海上交通の要衝として発展してきた歴史を持ちます。瀬戸内海の港と島々を舞台に、3年に1度開催される瀬戸内国際芸術祭の影響もあり、近年はアートの街としても注目を浴びるようになりました。
そんな玉野市は、過去に東洋経済新報社がとりまとめた住みよさランキングにおいて、岡山県内1位に輝いた実績を持つ暮らしやすい街です。県内のほかの市へのアクセスも比較的良好で、岡山県の中心都市である岡山市には車で30〜40分程度、倉敷市には45分程度でたどり着けます。
玉野市は積極的に移住者の受け入れを行なっており、たまののお試し滞在助成金制度も移住者の増加を促進するために作られた制度です。たまのの認定移住者登録を行っている県外在住の人を対象に、1世帯につき10万円を上限に滞在費用の一部を負担してもらえます。
玉野市への移住を決め、現地の空き家を購入する場合は、玉野市空き家改修事業補助制度の利用がおすすめです。補助制度の対象となるのは玉野市の空き家情報に登録されている空き家の所有者、または利用登録者で、50万円を上限に補助対象経費の2分の1まで空き家の改修工事の費用を補助金として市から支給してもらえます。
ここまで、岡山の住宅に関する補助金について紹介しましたが、費用を抑えるうえでは注文住宅の費用相場も重要です。こちらでは、岡山の注文住宅の費用相場について、詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
まとめ
以上、岡山の住宅に関する補助金や制度について取り上げてきました。岡山県は子育て世帯を中心に、移住者の獲得を目指してさまざまな補助金制度や事業を行なっています。
ただし、補助金制度を利用するためには、あらかじめ設けられた条件をクリアしている必要があります。各制度の利用条件は岡山県や市の公式ホームページから確認できるため、事前にチェックしておきましょう。
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