一戸建ての防犯対策は何が正解?安心して暮らすためにやること
「一戸建ての防犯対策は何をすればいい?」とお困りの方は多いのではないでしょうか。一
戸建てはマンションよりも防犯性が低いため、しっかり対策をしておかなければ空き巣の被
害に遭ってしまうリスクが高くなります。
今回は、一戸建てにおすすめの防犯対策を解説します。空き巣被害に遭わないための習慣も
紹介するので、ぜひ参考にしてください。
マンションより一戸建ての方が狙われる?
マンションより一戸建て住宅のほうが狙われやすい理由や、一戸建てで最も多い空き巣被害
について解説します。
侵入窃盗は一戸建ての方が狙われやすい
一戸建て住宅は、マンションよりも侵入窃盗のターゲットになりやすいといえます。一戸建
ては出入口が複数あるうえ、地面から低い位置に窓やドアが設置されているため侵入・逃走
のルートが確保しやすくなります。
また、一戸建ては隠れ場所となる木や茂みが周囲にあることが多く、窃盗犯は簡単に身を隠
せます。家同士の距離が離れている一軒家も、空き巣にドアや窓を壊された場合に外から気
づかれにくいため危険です。
さらに一戸建てはマンションやアパートと比べ、防犯カメラやオートロックの導入率が低い
傾向にあります。防犯対策を何もしていない家は、窃盗犯にとって侵入しやすい環境です。
出入口の箇所が多く人目に付きにくい一軒家であれば、空き巣に狙われないためのセキュリ
ティ対策がより一層求められます。
一戸建てで最も多い被害は空き巣
下記は「令和4 年の刑法犯に関する統計資料」をもとに作成した、住宅対象の侵入窃盗被害
件数の比較表です。
一戸建て | 4階建以上共同住宅 | 3階建以下共同住宅 | |
空き巣 |
7,064件 | 1,217件 | 2,272件 |
忍び込み |
3,674件 | 158件 |
330件 |
居空き |
684件 | 74件 |
120件 |
その他 |
649件 |
138件 |
144件 |
合計 |
12,071件 | 1,587件 |
2,866件 |
上記の表から、一戸建てで最も多い被害は空き巣であることが分かります。また、侵入窃盗の認知件数は16,524件で、その中でも一戸建ての被害が12,071件と最も多く、全体の約73%を占めています。
続いて、空き巣の侵入経路について紹介します。下記は、令和5 年の「一戸建て住宅における侵入口ごとの侵入窃盗件数」です。
一戸建て住宅の侵入口 |
件数 |
窓 |
7,448件(55.2%) |
表出入口 |
2,728件(20.2%) |
その他出入口 |
1,990件(14.8%) |
不明 |
1058件(7.8%) |
その他 |
259件(1.9%) |
非常口 |
7件(0.1%) |
空き巣の侵入手口は、窓からの侵入が最も多くなっています。窓ガラスは衝撃に弱いため、ドライバーや石などで叩けば簡単に割れてしまいます。窃盗犯によって窓ガラスを外側から割られれば、簡単に解錠されてしまうでしょう。
狙われやすい一戸建ての特徴
ここからは、狙われやすい一戸建ての特徴を解説します。
人目につきにくい
狙われやすい一戸建ては、人目につきにくいという特徴があります。空き巣が好む一戸建てとは防犯カメラがなく、死角が多い建物です。
住宅の周囲、とくに窓や玄関の側に高い植木を置いていたり、高いブロック塀で囲まれていたりする家は死角が多くなり、居住者や近隣住民から身を隠すことが容易になります。窃盗犯は周囲にばれずに犯行に及べるため、ターゲットにされやすいでしょう。
高い外壁や植木を設置することでプライバシーを守ることはできますが、防犯面を考慮する
と、周囲の人の目が届くような外構にするほうが安全です。
留守であることがわかりやすい
留守であることが分かりやすいことも、狙われやすい一戸建ての特徴です。たとえば、ポストに郵便物がたくさん溜まっている場合や夜になっても電気がついていない、夜もしくは雨が降っていても洗濯物が外に干してあるといった状況は、留守であることを判断されやすいです。
空き巣は事前に下見を行うことで、留守の時間を狙って犯行に及びます。外から見て明らかに留守がわかる家は、犯行のターゲットにされやすいため注意が必要です。
侵入しやすく逃げやすい
空き巣は、侵入しやすい家かどうかもチェックしています。侵入のしやすさは、主に下記のような項目で判断している場合があります。
・ポストなどの分かりやすいところに合鍵を入れている
・窓などを長時間開いたままにしている
・窓や玄関の施錠をせずにゴミ捨てやコンビニなどに行く
・バルコニーや家の周囲に足場になるような荷物や脚立を置いている
・家の周辺に足場になりそうな電柱などがある
・道から見て窓や玄関が死角となる場所にある
・敷地内が塀や植栽などで周囲から見にくくなっている
空き巣は上記のようなことを入念に確認し、侵入場所や侵入方法をあらかじめ決めることで、最短の時間で侵入できるように準備を行っています。
空き巣が嫌がる住宅とは
ここからは、空き巣が嫌がる住宅の特徴を解説します。
防犯対策していることがわかりやすい
防犯対策していることがわかりやすい家は、空き巣に狙われにくいです。防犯意識が高いことをアピールするアイテムの活用もおすすめです。
たとえば、設置している窓の内側にもうひとつ窓を取り付けた二重窓は、ガラスを2枚割らないといけないため侵入しにくく、防犯意識の高さを感じさせることができます。
また、窓に格子や目隠しルーバーなどを設置するのも防犯対策に効果的です。ルーバーは細長い板を縦または横に並べたもので、換気や採光の調節ができるほか、目隠しとしても役立ちます。
センサーライトは不審な人物が建物に近づいたときに明るく照らし、侵入や窃盗などの犯罪行為を防止できます。明るくなると人目につきやすくなるため、玄関やカーポートなどに設置すると犯行を諦める可能性があります。
侵入に時間がかかる
空き巣は「すばやく侵入ができる」「見つかりにくい」「すぐ逃げられる」といった3つの条件がそろった家を狙います。そのため侵入に5分以上かかりそうな家は、犯行が気づかれやすいため除外される可能性が高くなります。
たとえば、ダブルロックがついた玄関ドアはこじ開けるのに時間がかかるため、下見の段階で犯行を諦める可能性が高くなるでしょう。
また、ドアの内側に設置する補助錠よりも、外側に設置して鍵を見えやすくするほうが防犯対策としては効果的です。
敷地内に死角がない
空き巣は人に見られない場所で犯行に及ぶ傾向にあるため、身体が隠れる高い塀や垣根、大きな庭木などが多い家をターゲットにします。
そのため、周囲から敷地内が見渡せるようなオープン外構の家や、低めの塀や格子状のフェンスを設置した見通しの良い家は、候補から外れる可能性があります。
ただし、バルコニーが見通しの悪い壁で囲まれていたり、勝手口が目立たない位置にあったりする家は空き巣に狙われやすいといえます。
空き巣から家を守るためには、バルコニーの囲いを格子状にするなどして、敷地内に死角をつくらないことが大切です。
常に誰かが家にいる
空き巣は狙った家が留守かどうか・留守の割合が多いかを基準に侵入するため、誰かが常に家にいる場合は諦める可能性が高いです。
家のなかに誰もいないほうが侵入した際に通報されるリスクが低くなり、室内をゆっくり物色できるため、下見の段階で家の状況をチェックし、犯行のターゲットにする可能性があります。
防犯意識が高いことをアピールするには、下記のようなアイテムを活用するのがおすすめです。
・二重窓
二重窓は、設置している窓の内側にもうひとつ窓を取り付けたもので、施錠も二重になるため防犯効果が期待できます。ガラスを2枚割らないといけないため侵入しにくく、防犯意識の高さを感じさせることができます。
・窓の格子、目隠しルーバーなど
窓に格子や目隠しルーバーなどを設置するのも防犯対策に効果的です。ルーバーは細長い板を縦または横に並べたもので、換気や採光の調節ができるほか、目隠しとしても役立ちます。
・センサーライト
センサーライトを設置すると、不審な人物が建物に近づいたときに明るく照らし、侵入や窃盗などの犯罪行為を防止できます。明るくなると人目につきやすくなるため、玄関やカーポートなどに設置すると犯行を諦める可能性があります
防犯性が高い玄関ドアを取り入れる
一戸建ての防犯対策には、防犯性が高い玄関ドアを取り入れるのがおすすめです。たとえば、玄関のドア1枚にたいして2つの鍵を設置するダブルロック仕様の玄関ドアやカギ穴の形状が複雑なディンプルタイプの鍵、構造がシンプルでありながら室内側のツマミに細工をして解錠されるのを防ぐセキュリティサムターンなど種類もさまざまです。
防犯機能が高そうな玄関ドアをとり付けているだけでも狙われる可能性が低くなるため、上記で紹介したアイテムを積極的に採用するとよいでしょう。
侵入できそうなところへセンサーライトを設置する
屋外の侵入できそうなところへセンサーライトを設置するのも有効です。センサーライトは、人の存在を光で周知するため、点灯することで住人や近隣住民、通行人などに人の存在を知らせられます。
不審者や侵入者の存在を認識できるうえ「見つかるのではないか」という侵入者の不安を煽り、光で牽制する効果も期待できます。早期の通報や避難につながり、犯罪を未然に防止できます。
また、センサーライトによって、暗い場所や見通しのよくない場所を明るく照らすことで、侵入や窃盗のほか、暗闇で行われるさまざまな不審な行為を防止する効果も期待できます。
1か所だけではなく複数の箇所に設置すると、侵入場所にたどり着く前に明かりで照らされ、犯行を阻止できる可能性があります。
外構をオープンにする
外構をオープンにしておくと、防犯性を高められます。家の周囲や建物内から目が届きやすい外構は遮るものがなく、敷地内を見渡せるため侵入者を発見しやすくなります。
境界明示のためにブロックを設置する場合は、ブロックを低めにしたうえで、目線の通りやすいフェンスを施工するのがおすすめです。
ウッドフェンスを設置する場合は、目隠しし過ぎないように透過率の高いものを選びましょう。また、植栽・樹木を植える場合も、視界を遮らないような樹種を選ぶことが大切です。
防犯カメラを取り付ける
防犯カメラを設置すると、不審者を心理的に遠ざけられます。侵入者は犯罪の証拠が残るのを嫌がるため、防犯カメラが設置してある家はターゲットから外れやすいでしょう。
防犯カメラを設置する際は出入口や駐車場など、狙われやすい場所に設置しましょう。せっかく設置したとしても、撮影されることなく犯罪を遂行させてしまえば、防犯カメラによる犯罪防止効果は期待できません。カメラを設置する際は、位置や向きなどもしっかり検討することが大切です。
砂利を敷き詰める
家の周囲に砂利を敷き詰めることも防犯対策として有効です。砂利のうえを歩くとザッザッと大きな音が鳴るため、侵入者が犯行を諦める確率が高くなります。
たとえ侵入者が敷地内に入り込んだとしても、近隣住民が音に気づいて通報してくれるかもしれません。
また、通常の砂利を踏むときよりも大きな音が鳴るような防犯砂利も販売されています。死角が多い建物や、外周部が長い設計の建物の場合は取り入れてみるのがおすすめです。
定期的に庭の手入れをする
庭の手入れの状態は、防犯に直結するため重要です。庭や建物の手入れの状態が悪ければ、侵入者に防犯意識が低い家であると認識されやすくなります。
泥棒や空き巣が侵入を諦めるような庭には、下記のような特徴があります。
・庭木や雑草が整っている
・庭がいつもきれいに片付いている
・塀や生け垣が低い
・庭にライトがついており夜も明るい
逆に庭がいつもきれいで片付いていると、侵入時に物の位置などを変えたり、足跡がついたりした場合に気づかれやすいため、泥棒や空き巣が侵入しにくい家になるでしょう。
人通りの多い立地を選ぶ
家を建てる際に、人通りの多い立地を選ぶことも大切です。空き巣は留守の家を狙って侵入するため、人通りが少なく人目につきにくい土地にある家を狙います。
また、近所づきあいは人通りと同じくらい重要といえます。不在時や留守中に不審なことがあれば、近所の人から連絡をもらえる可能性が高くなるため、普段から積極的に近隣住民とコミュニケーションをとるようこころがけてみましょう。
空き巣被害に遭わないための習慣
ここからは、空き巣被害に遭わないための習慣を解説します。
玄関・窓の鍵をかける
基本的なことですが、空き巣被害に遭わないためには玄関や窓の鍵を忘れずにかけることが大切です。いくら防犯対策を行っていても、施錠を忘れていれば侵入者にすぐに家の中に入られてしまいます。
近所のコンビニに買い物に行くときなど、ちょっとした外出の際にもこまめに施錠することが重要です。玄関だけでなく浴室やトイレ、2階の窓も忘れずに鍵をかけましょう。
また合鍵を家に隠すときは空き巣に盗まれることがないよう、場所を十分に検討することが大切です。
ポストに郵便物を溜めない
ポストに郵便物が溜まった状態で放置していると、長く不在にしていることが悟られたり、防犯意識の低い家であると認識されたりして、空き巣に狙われやすくなります。加えて、郵便物の内容から勤務先やスケジュールなどがばれてしまう可能性もあるため危険です。
郵便物をこまめに回収するだけでも防犯対策につながるため、なるべく毎日ポストを確認するようにしましょう。30日以上自宅を空ける場合は、郵便局の転送サービスや一時預かりサービスなどを利用するのがおすすめです。
近所付き合いをしておく
近所付き合いをしておくと、見知らぬ人が家に侵入しようとしたり、自宅で何かあったりしたときに連絡をもらえるケースがあるため安心です。
近所付き合いを避ける人が多い傾向にありますが、顔を合わせて挨拶をするだけでも防犯効果を高められます。また地域住民同士の連帯感があれば、防犯に強いエリアであることをアピールできるでしょう。
こちらの記事では、失敗しない家づくりのポイントについて紹介しています。間取りの考え方についても取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
一戸建てはマンションよりも空き巣被害が多い傾向にあるため、防犯対策をしっかり行うことが重要です。家族の安全を守るためにも防犯カメラを取り付けたり、防犯性の高い玄関ドアを取り付けたりするなどして、空き巣被害に遭わないような家づくりを心がけましょう。
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