注文住宅の内装の決め方とは?おしゃれで心地よい家を作るポイント

人生で最も大きな買い物ともいわれるマイホームであれば、慎重に購入計画を進めたいものです。なかでも内装にこだわりたいとお考えの方は多いでしょう。
この記事では、注文住宅を建てる際、内装デザインはどのように決めるのかについて解説します。デザインの実例や内装をおしゃれにするコツなども解説しますので、参考にしてください。
目次
注文住宅の内装デザインを決める際の流れ
デザインを決める際の主な流れは、以下のとおりです。
- 理想のテイストを決める
- 配色と素材を決める
- 設備・建材を決定する
- 照明と家具を決める
それぞれの工程について解説します。
理想のテイストを決める
理想の内装を形にするためには、まず方向性を明確にすることが大切です。デザインを決める前に、多様な実例に触れることをおすすめします。
実例に触れる主な方法としては、住宅メーカーの公式サイトやインテリア雑誌などの活用が挙げられます。うまく活用すれば、自分の好みや憧れのスタイルをイメージしやすくなるでしょう。
例として、たとえばナチュラルな木の温もりを重視したテイストや、洗練されたモダンさやスタイリッシュさを押し出したテイストなどがあります。各ジャンルを比較すれば、自分の理想に最も近いテイストを見つけられるでしょう。
なお、とくに印象に残った事例は、画像保存やメモを活用して整理しておくことをおすすめします。視覚的に参考になる材料を集めておけば、後からでも理想のテイストを決めやすくなります。
配色と素材を決める
内装デザインの方向性が定まったら、次は配色と素材を決めます。どちらも空間全体の印象を左右する要素となるため、慎重に選びましょう。
まずは基調となる色を設定します。床や壁、天井など大部分を占める部分に使用されるのが基調色です。その後、家具や建具に用いるメインカラーを決めましょう。
最後はアクセントカラーとして、小物や一部の壁に差し色を加えます。アクセントカラーを取り入れることで、空間にメリハリが生まれます。
素材を決める際、実際にサンプルを確認することをおすすめします。サンプルを手に入れたら、照明や自然光に当たったときの見え方も確認するとよいでしょう。
設備・建材を決定する
続いて、設備や建材を決めましょう。その際には、キッチンやドア、窓枠といった要素ごとに慎重に検討する必要があります。壁や床と調和するような色や素材を選ぶと、全体的に統一感のある空間が仕上がります。
とくに設備は、家具と異なり簡単には交換できません。そのため、長期間の使用を前提に選ぶことが大切です。設備に差し色を取り入れる場合、目立ちすぎない落ち着いた色味を選ぶと失敗が少ないでしょう。
照明と家具を決める
照明と家具は、空間全体の印象を形作る要素です。とくに照明は部屋の雰囲気を左右するため、デザインだけでなく光の色や強さにも配慮して選びましょう。
また、家具の配置や色選びも同時に進めると、部屋の完成イメージがより具体的になります。家具を選ぶ際は、冷蔵庫やベッド、ソファなどの大きなものから順に検討すると効率的です。大きなものを先に配置できれば、空間を無駄なく使えるレイアウトを実現しやすいでしょう。
なお、家具で個性を表現したい場合は、設備の色を白や黒などシンプルなものにすると柔軟にコーディネートしやすくなります。家具の素材感は、展示会やショールームで実物を確認すると、配置した際のイメージを持ちやすくなるため、おすすめです。
魅力的な注文住宅を実現するための内装実例
内装としてよく採用されているのが、以下のとおりです。
- ナチュラルテイスト
- モダンテイスト
- アメリカンスタイル
- ヨーロッパテイスト
- ホテルテイスト
- カフェ風テイスト
それぞれの実例について解説します。
ナチュラルテイスト
自然の温かみを感じさせるナチュラルテイストは、心地よく親しみやすい空間を作りたい方におすすめのデザインです。主に木材や自然素材を活用し、室内を穏やかな色調でまとめることで、落ち着いた雰囲気を演出します。
たとえば、明るい木目と柔らかいアイボリーやベージュを基調としたインテリアは、全体に統一感を持たせながらも温かみを感じさせます。家具選びでは、シンプルなデザインを心がけつつ、インテリアグリーンを取り入れるとさらに魅力的な空間に仕上がるでしょう。
木材を多用することで自然の質感が際立ち、どの世代にも馴染む空間が完成します。生活のなかで癒やしを感じたい方にはぴったりのスタイルといえるでしょう。
モダンテイスト
モダンテイストは、現代的で洗練されたデザインを好む方に適したスタイルです。主に白や黒を基調とした色使いが特徴で、無駄のないシンプルな空間を演出します。
壁や床は白やグレーなどの明るいトーンを選び、家具や小物に黒や金属素材を加えれば、引き締まった印象を与えられるでしょう。また、直線的なデザインの家具や、タイルやガラスなどの無機質な素材を取り入れると、よりスタイリッシュな雰囲気が引き立ちます。
装飾を最小限に抑えれば、空間全体がスッキリとまとまり、広々とした印象を作り出せます。住まいを洗練された空間に仕上げたいなら、高級感と機能性を兼ね備えたモダンテイストがおすすめです。
アメリカンスタイル
アメリカンスタイルは、海外のカジュアルでおしゃれな雰囲気を取り入れたい方に最適な内装デザインです。主なスタイルとして、以下の3つが挙げられます。
- 西海岸スタイル
- インダストリアル
- ブルックリンスタイル
西海岸スタイルは、明るい白を基調に自然素材を活用し、マリンブルーやインテリアグリーンで爽やかなアクセントを加えたリラックス感のある空間が魅力です。インダストリアルスタイルは、コンクリートやアイアンを取り入れた無骨でクールな雰囲気を演出します。
また、ブルックリンスタイルはアンティークレンガやブラックアイアンなどの素材を活用し、温かみとヴィンテージ感を組み合わせた独特のデザインが特徴です。
ヨーロッパテイスト
ヨーロッパテイストの内装は、木材や自然の緑を効果的に取り入れた温かみのある空間が特徴です。冬が長い地域特有の工夫が施されており、大きな窓を採用して自然光を最大限に取り入れるデザインが一般的です。
明るい採光によって、部屋全体に開放感がもたらされます。そのため、実際の面積より広々とした印象の居住空間を実現できるでしょう。
また、シンプルで機能的な家具を配置して、白や淡いグレーを基調とした配色で統一感を出すのもヨーロッパスタイルの魅力です。木目の美しいフローリングや自然素材を使用した家具は、心地よい落ち着きをもたらします。
ホテルテイスト
ラグジュアリーで洗練された空間を実現したいなら、ホテルテイストの内装が最適です。リビングのアクセントウォールには質感豊かなタイルや壁材を使用し、空間に高級感を与えます。
さらに、間接照明を取り入れれば、やわらかい光が壁面や天井を照らし、落ち着いた雰囲気を演出できるでしょう。
なお、ホテルテイストでは素材や照明の選択が重要です。艶感のある仕上げにしたり、ゴールドやシルバーの装飾をポイントに加えたりすると、非日常感が際立つ空間にできます。
一方、家具はシンプルなもので統一するとよいでしょう。空間の艶感や高級感をさらに高められます。
カフェ風テイスト
カフェ風テイストは、自宅でリラックスできるおしゃれな空間を作りたい方におすすめのスタイルです。対面式キッチンの背面に特徴的な壁紙やタイルを使用すると、シンプルながらも印象的なデザインが完成します。
また、木材を取り入れたテーブルや椅子、温かみのあるペンダントライトを配置すると、カフェ特有の心地よい雰囲気を演出することが可能です。配色はナチュラルカラーをベースに、黒や濃いグレーをアクセントに加えると全体の印象が引き締まります。
収納やディスプレイにこだわると、さらにカフェらしさを演出できるでしょう。
おしゃれな内装の注文住宅を作るためのコツ
内装をおしゃれにするために重要なのが、以下5つのコツです。
- 配色は3色以内にまとめる
- 照明と自然光とのバランスを取る
- アクセントを控えめにする
- 収納スペースを充実させる
- バランスを考えてコーディネートする
それぞれのコツについて解説します。
配色は3色以内にまとめる
内装デザインをおしゃれに仕上げるには、空間全体の配色を3色以内に抑えるのがコツです。ベースカラーとメインカラー、アクセントカラーに分けましょう。
ベースカラーは床や壁、天井など、空間の大部分を占める色です。淡い白やアイボリーなどの落ち着いた色を選ぶと空間が広く感じられます。
メインカラーは家具や窓枠、建具などに使われ、全体の印象を引き締める役割を果たします。彩度が少し高めの色を取り入れると、部屋に奥行きが生まれるため、おすすめです。
アクセントカラーは、クッションや小物などで全体の5%程度を目安に使うと、視線を引きつける効果があります。こうした配色を意識するだけで、おしゃれで魅力的な空間を作り上げることが可能です。
照明と自然光とのバランスを取る
内装を計画する際には、照明と自然光のバランスを考慮することが欠かせません。建材や色合いは光の当たり方によって印象が変化します。したがって、選ぶ際は時間帯や角度による見え方をイメージするとよいでしょう。
たとえば、昼白色の照明はクリアで明るい印象を与え、電球色の照明は温かみのある落ち着いた雰囲気を作ります。また、自然光は朝日や夕日などの光の強さや色合いが異なるため、同じ部屋でも時間帯ごとに見え方が変わります。
なお、調光機能が付いている照明を採用すれば、用途や気分に応じて光の強弱や色味を調整することが可能です。光を巧みに活用することで、居心地のよい空間を実現できるでしょう。
アクセントを控えめにする
空間に個性を持たせるためにアクセントを取り入れることは効果的な手法です。しかし、過度な装飾や色使いは全体の調和を損ねる可能性があります。
ビビッドな色や柄物を採用する場合、空間全体をシンプルにまとめ、アクセントを際立たせることが大切です。一部の壁や家具、小物に強い色や模様を使用するだけで、洗練された印象を与えられます。
一方、複数のアクセントを詰め込みすぎると空間が雑多になり、落ち着かない雰囲気を生む可能性があるため、注意しなければなりません。デザインの中心となる要素をひとつに決め、それを引き立てるように周囲を整えると、バランスの取れた空間が完成します。
アクセントを控えめにしつつ、全体の調和を意識すると、より居心地のよい内装となるでしょう。
収納スペースを充実させる
どれほど内装デザインにこだわっても、収納が不足しているとものが散らかり、生活感が目立ってしまいます。快適で美しい空間を保つために、持ち物の量に応じた収納スペースを十分に確保しましょう。
ただし、収納そのものが部屋の雰囲気を損なわないように、デザインと調和する工夫が必要です。たとえば、壁面収納やガラス扉付きの棚、見せる収納などを取り入れれば、機能性とインテリア性を両立させることが可能です。
また、リビングやキッチンなど用途ごとに必要な物をリストアップし、それぞれに適した収納を設けるのもよいでしょう。たとえば、ファミリークローゼットやパントリーのように、大まかに分類してまとめられるスペースがあると日々の片付けが簡単になります。
バランスを考えてコーディネートする</h3>
内装をおしゃれに仕上げるには、部屋全体を統一感ある空間として捉えて、バランスを意識するのがコツです。たとえば、ソファやカーテンなどの色や素材をほかの家具やインテリアと調和させれば、まとまりのあるデザインが完成します。
部屋での生活をイメージしながら配置や選択を進めるのもポイントです。イメージが明確にできていれば、使いやすく洗練された空間に仕上げられるでしょう。
すでに特定の家具やカーテンのカラーが決まっている場合は、その要素を基準に逆算して内装全体を計画する方法も効果的です。
こちらの記事では、失敗しない家づくりのポイントについて解説しています。間取りや導線の考え方も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
失敗しない!注文住宅の内装選びで気を付けたいポイント
内装を考える際、気をつけなければならないのが以下5つのポイントです。
- デザインやカラーを詰め込みすぎない
- 実物のサンプルで確認する
- 機能性と実用性を重視する
- 家族の意見をしっかりまとめる
- ハウスメーカーやインテリアデザイナーに相談する
それぞれのポイントについて解説します。
デザインやカラーを詰め込みすぎない
内装デザインを考える際には、アクセントの取り入れ方に注意することが大切です。目を引くカラーや装飾は空間に個性を与えますが、あまりに多く取り入れると全体の調和が崩れ、落ち着きのない雑然とした印象を与える場合があります。
理想的な空間を作るために、基本的な配色やデザインをシンプルにまとめ、ポイントとなるアクセントをひとつ設けましょう。統一感のある背景に一色のアクセントが加わるだけで空間にメリハリが生まれ、洗練された仕上がりを実現できます。
実物のサンプルで確認する
壁紙や床材などの内装材を選ぶ際は、必ず実物のサンプルを確認しましょう。カタログやオンラインの画像では、素材の質感や色合い、細かな凹凸までは把握できない場合があります。サンプルを手に取り、照明や自然光のもとで見え方を確認するのが失敗を防ぐポイントです。
多くの建材メーカーでは、クロスやフローリングのカットサンプルを提供しています。カットサンプルを活用して、きちんと比較・検討しましょう。
また、入手したサンプルを実際の壁や床に置いてみるのもおすすめです。本物と照らし合わせることで、空間全体での調和をイメージしやすくなります。時間をかけて内装材を選べば、満足のいくデザインを実現できるでしょう。
機能性と実用性を重視する
デザインだけでなく、機能性や実用性を考慮に入れることも大切です。見た目にこだわりすぎると、住み始めてから後悔するケースが少なくありません。
たとえば、デザインを重視した結果、洗面所の前の通路が狭くなると、朝や夕方などの家族の往来が増える時間帯に不便を感じる場合があります。また、収納スペースが不足すると、片付けや整理が難しくなり、おしゃれな空間が物であふれてしまうでしょう。
また、コンセントの位置も考慮すべきポイントのひとつです。不便な場合は延長コードを多用することになり、内装の見た目に影響を与えかねません。
このような問題を防ぐには、生活を具体的にイメージしながら、動線や設備の配置を検討することが重要です。
家族の意見をしっかりまとめる
住宅の内装を決める際、家族全員の意見はきちんと聞き、うまく反映させましょう。それぞれの好みが異なると、全体の統一感を欠いたちぐはぐな仕上がりになる可能性があります。
たとえば、二世帯住宅では世代間で生活スタイルや優先順位が異なるため、意見の調整がさらに難しくなることもあるでしょう。意見をまとめる際は、それぞれが内装で何を重視するのかについて、希望をリストアップして整理する手法が有効です。
ハウスメーカーやインテリアデザイナーに相談する
住宅の内装デザインや設備の選択に迷った際は、ハウスメーカーやインテリアデザイナーに相談するのがおすすめです。たとえば、インテリアデザイナーが在籍するハウスメーカーであれば、インテリアのプロの視点から適切なアドバイスを受けられます。
また、ハウスメーカーやインテリアデザイナーであれば、色使いや素材の選び方、設備の配置などの細かなポイントについても的確なアドバイスをもらえます。初めて家を建てる方や選択肢が多すぎて迷う方にとって、プロのアドバイスは心強い味方となるでしょう。
注文住宅をご検討の方は「岡山県の不動産売買情報サイト『岡山で暮らす』」にご相談ください。立地や角地、二世帯住宅向きなど、さまざまなこだわり条件から検索ができます。ぜひ、一度お問い合わせください。
まとめ
注文住宅の内装を決定する際はテイストの選定から始まり、配色と素材の選択、設備や建材の決定、照明と家具の配置まで、各段階での慎重な選択が求められます。その際、空間全体の調和を考えながら、機能性とデザインのバランスを取ることが重要です。
また、内装をおしゃれにするためには、配色を3色以内に抑えるほか、収納スペースの充実、照明と自然光のバランスなど、細部にわたる配慮が欠かせません。自力では困難な場合は、ハウスメーカーやインテリアデザイナーに相談するとよいでしょう。
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