ハウスメーカーと工務店の違いは?自分に合った業者の選び方も解説!
マイホームづくりを考え、インターネットで調べてみたものの、ハウスメーカーと工務店の違いがよくわからず、悩んでしまう人も多いでしょう。
そこでこの記事では、両者の違いについてわかりやすく解説しています。それぞれのメリット・デメリットを理解してはじめて、最適な業者を選ぶことが可能です。
また、業者選びのコツもあわせて解説していますので、ぜひ判断材料にしてください。
目次
ハウスメーカーと工務店の違い
ハウスメーカーと工務店の主な違いは、施工を行っている対応エリアやサービスにあります。詳細について理解を深める前に、まずはハウスメーカーと工務店がそれぞれどのような企業なのかを理解しましょう。
ハウスメーカーとは
ハウスメーカーとは、住宅の設計から建築、販売までを一貫して行う企業のことを指します。ハウスメーカーは自社ブランドのもと、独自の設計理念や技術を用いて、さまざまなタイプの住宅を提供します。
ハウスメーカーは全国にわたって比較的大規模でビジネスを展開していることがほとんどです。統一された品質基準やサービスを提供するため、多くの人に信頼されています。
また、大規模な研究開発を行い、新しい住宅技術や素材を積極的に取り入れることも特徴のひとつです。
工務店とは
工務店は、地域に根差して活動する住宅建築の専門企業です。工務店では、新築はもちろん、リフォームや増築などの幅広い建築ニーズに応え、顧客の細かな要望にも柔軟に対応する能力を持っています。
規模は小さな家族経営から、より広い範囲に事業所を持つ中堅規模までさまざまです。工務店は地元の気候や文化を踏まえた建築にとくに強く、顧客一人ひとりとの密接な関係を大切にしています。
ハウスメーカーと工務店の違い
ハウスメーカーと工務店の違いを、以下5つの違いから説明します。両者にどのような特徴があり、どのように異なるのかを理解しましょう。
施工エリア
施工エリアにおけるハウスメーカーと工務店の主な違いは、対応可能なエリアの広さと地域密着度にあります。
ハウスメーカーは国内の広範囲にわたり営業拠点を設けており、全国各地で建築プロジェクトに対応可能です。
一方、工務店は主に特定の市町村や県内にサービスを限定し、地域の特性や環境に精通したサービスを提供しています。地元密着型のアプローチにより、地域に根ざした建築を得意とする点が、工務店の大きな強みです。
建築コスト
建築コストの面では、工務店を利用することで経済的なメリットを得られる場合が多いです。ハウスメーカーは、広告宣伝や展示場の維持などにかかる間接的な費用を、建築費用に盛り込む傾向があるのに対し、工務店はこのような費用が少ないためです。
さらに、工務店では自社施工をしている点もコストを抑える要因の一つです。地元密着型のビジネスモデルを採用していることが多く、地域に根ざした材料の仕入れや効率的な作業の実施が可能です。
間取りや設備の自由度
間取りや設備の自由度も、それぞれ異なります。ハウスメーカーでは用意されたプランから選ぶことが主流で、デザインの自由度は低く限られます。プランにない要望を実現したい場合は、コストが高くなる可能性があります。
一方、工務店では顧客の細かなニーズに合わせて柔軟な設計が可能で、完全オーダーメイドの住宅を実現することが可能です。
そのため、細部まで拘った家づくりを望む場合は、工務店がよりよい選択肢となるでしょう。ただし、デザインの質を確認するために、工務店の施工事例を見ておくことが重要です。
工期
ハウスメーカーは、工務店に比べてより短い工期で建築を完了させる傾向があります。ハウスメーカーが建築をシステム化し、効率的に作業しているためです。各工程がマニュアル化されており、資材調達から施工までスムーズに進行します。
しかし、工務店ではプロジェクトごとに資材の選定や加工を行い、施工もオーダーメイドで進めるため、全体の工期が長くなりやすいです。
アフターメンテナンス
アフターメンテナンスにおいて、ハウスメーカーはシステム化された手順と充実したサポート体制を提供することが多く、定期的な点検や迅速な対応が期待できます。そのため、住宅の購入者は維持管理に関する安心感を得られるでしょう。
一方、工務店ではアフターサービスの質が会社によって異なります。一部の工務店では、迅速な対応を売りにしていますが、全体としてのサービスの均一性はハウスメーカーに劣る可能性があります。
ハウスメーカーのメリット・デメリット
ハウスメーカーのメリット・デメリットは、以下の表のとおりです。
メリット | デメリット |
高水準の品質管理体制 | 細かな要望が伝わりづらい |
独自の施工技術・デザイン | 設計における自由度の制限 |
住宅ローンの審査で有利 | 工務店に比べて高額 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ハウスメーカーに施工を依頼するメリット
ハウスメーカーは、全国どこでも一定の品質を保証する高水準の品質管理体制を築いています。多くのハウスメーカーがISO9001などの国際基準を満たし、厳格な品質管理のもとで住宅を建築しています。
さらに、独自の研究施設を持ち、革新的な技術やデザインを開発しているハウスメーカーも存在します。そのため、他にはない個性的な住宅を提供することも可能です。
また、特定の構造に特化した建築技術を持つことも多く、結果として耐震性能が高い住宅を提供できるため、住宅ローンの審査にも有利に働くことがあります。
ハウスメーカーに施工を依頼するデメリット
ハウスメーカーは分業制のため部署も多く、部署間の連携が不十分な場合、顧客の細かな要望が正確に伝わらないことがあります。
また、担当者が頻繁に変わる企業では建築後のフォローアップやメンテナンス時に、初期の意図や細かな要望を把握している担当者がいない可能性があり、不満に思うこともあるかもしれません。
設計の自由度についても、ハウスメーカー独自の基準が設けられており、その枠内でしか設計を進められません。そのため、自分の希望をすべて反映するのは難しい傾向があります。
さらに、大企業であるがゆえに、本社や支店の運営費用、広告宣伝費、開発費などが住宅購入費に含まれるため、工務店に比べて高額になりやすいです。
ハウスメーカーに施工を依頼するのがおすすめなのはこんな人
ハウスメーカーへの施工依頼は、とくに信頼性やブランド価値を重視する人に適しています。全国的な知名度と確かな実績が、多くの人に安心感を与える要素となります。
また、あらかじめ用意された豊富なプランの中から選択し、自身の好みに合わせてカスタマイズすることで、効率良く理想の住宅を実現可能です。建築が比較的スムーズに進行し、短期間での完成が期待できます。
建築における細かなこだわりがなく、大手企業の安定感やサポート体制を求める人には、ハウスメーカーがおすすめです。
工務店のメリット・デメリット
工務店のメリット・デメリットを以下の表にまとめましたので、確認してください。
メリット | デメリット |
融通の利きやすい設計 | 情報収集の難しさ |
建築後も良好な関係を構築可能 | 住宅ローン等に対するサポート不足 |
それぞれについて、詳しく解説します。
工務店に施工を依頼するメリット
工務店に依頼するメリットは、柔軟性と個別対応にあります。設計の自由度がとくに高く、施主の詳細な要望に添ったオーダーメイドの住宅が実現可能です。建築材料の選択から設備に至るまで、広範囲なオプションから選べるため、ライフスタイルに合った住まいを建てられます。
また、地域に根ざした運営を行っているため、建築後も長期的な関係を築きやすいです。良好な関係を築くことで、ライフステージの変化に応じた改修や、予期せぬトラブルにも対応してくれます。
工務店に施工を依頼するデメリット
工務店に依頼する際のデメリットは、まず情報収集の難しさにあります。工務店は過去の施工事例を公開していないことがあり、工務店の技術力やデザインセンスの判断が難しい場合があります。
また、古い工法やデザインに固執している場合があり、新しい省エネ技術などへの対応が遅れていることも考えられます。加えて、住宅ローンに関するサポートが不足している場合が多く、金融機関の選定やローンの条件確認など、自分自身で行わなければならない可能性もあります。
工務店の施工を依頼するのがおすすめなのはこんな人
工務店への施工依頼は、自分だけの特別な住まいを実現したい人におすすめです。具体的なマイホームのビジョンがあり、細部に至るまでこだわりを持つ場合は、工務店の柔軟な設計と施工で理想を実現しやすくなります。
また、限られた予算でよりよい住宅を求める人にとっても、工務店はコストパフォーマンスの高い選択肢です。地域密着型のサービスにより、長期にわたる信頼関係を築き、ライフステージの変化に合わせたリフォームやメンテナンスに対応してくれる点も、工務店を選ぶ理由のひとつとなるでしょう。
どちらに依頼するか迷ったときに考えること
それぞれのメリット・デメリットを踏まえたうえで、ハウスメーカーと工務店のどちらに家づくりを依頼しようか悩む人も多いでしょう。
住宅の購入において、求める条件を理解することも大切です。以下2点を考えてみると、見え方が変わってくるかもしれません。
住まいに求める条件をリストアップしてみる
住宅建築にあたって、まずは家族で住まいに求める条件を話し合いましょう。話し合いを通じて、予算を優先するべき箇所とコストを抑えてもよい箇所を明確に分け、リストアップします。
たとえば、外壁や床材、断熱性能、耐震性能などは重視しつつ、部屋自体は少し狭くすることでコストは抑えるなどです。また、家の外観デザインや間取り、エネルギーの使用方法などもあわせて話し合い、共通理解を持つことが大切です。
住まいに求める条件を家族で話し合い、リストアップしておくことで、ハウスメーカーや工務店との打ち合わせがスムーズに進みます。
見学会などのイベントに積極的に参加する
住宅を建てる際、ハウスメーカーや工務店が開催する見学会や展示場イベントに積極的に参加しましょう。実際の住宅の質感や空間の広がりを体感でき、自分の理想とする家に近づけやすくなります。
将来のメンテナンスの観点からも、購入後の長期的なサポート体制やコストについて、イベントを通じて事前に情報を得ることも可能です。
見学会やイベントに参加することで、ライフスタイルや地域の特性に適した信頼できる建築パートナーを見つけやすくなります。
自分に合う業者選びのポイント
自分に合う業者を選ぶためには、以下8つのポイントを基準にするとよいでしょう。
- 住宅の性能
- 価格・費用
- これまでの実績
- 得意なテイスト
- アフターフォローの有無や保証期間
- 提案力があるか
- 対応している工法や使用している建材
- 担当者との相性
Webサイトだけではわからないこともあるため、実際に問い合わせてみるなどの手段も効果的です。
住宅の性能をチェックする
業者を選ぶ際は、建てている住宅の性能に注目することが重要です。耐震性や省エネ性能など、業者ごとに力を入れている住宅性能は異なります。
たとえば、太陽光発電や全館空調などの設備を重視する場合、それらを得意とする業者を選ぶとよいでしょう。
ただし、高性能を追求し過ぎてしまうと、間取りやデザインの自由度が制限される場合もあるため、バランスを考えることが大切です。
価格・費用をチェックする
家を建てる際、予算は重要な検討事項のひとつです。住宅建築の予算が設定通りに収まるかを見極めることは、業者選びにおいてポイントとなります。
ただし、安さだけで選ぶのではなく、どの部分に費用をかけ、どこを節約するかを明確にするようにしましょう。見積もりの内訳を細かくチェックし、どのようなコストがかかっているのか理解することが重要です。
また、同じ住宅性能でも業者によって価格が異なるため、複数の業者から見積もりを取り、内容を比較検討することも大切です。
これまでの実績をチェックする
業者を選ぶ際には、これまでの実績を確認することは必須です。施工件数の多さだけでなく、それぞれのプロジェクトに対する熱意や丁寧さもあわせて確認するようにしましょう。
過去に施工を受けた顧客の口コミを参照することで、実際の住まいの満足度やコミュニケーションの質をある程度は把握可能です。
とくに、業者が顧客の要望にどれだけ応えているか、プランの提案は適切だったかという点は重要なチェックポイントとなります。
ただし、口コミは個人の主観が色濃く反映されるため、すべてを鵜吞みにせず判断材料の一つとして考えることが重要です。
得意なテイストをチェックする
業者を選ぶ際は、得意とするデザインテイストを把握することも大切です。各ハウスメーカーや工務店はシンプルモダンや和モダン、ナチュラル、和風など、得意とするデザインテイストを持っています。使用可能な設備機器の選択肢や外装材の種類も、自分の好みや要望と合っているかを確認しましょう。
確認の手段として、展示場でのモデルハウス見学は直感的な印象を得るのに役立つでしょう。ただし、デザインだけでなく建物の性能にも目を向け、総合的な判断を心がける必要があります。
アフターフォローの有無や保証期間をチェックする
家を建てる際、アフターフォローと保証内容も忘れずにチェックすることをおすすめします。保証期間がどれくらいあるのか、定期点検が行われるかどうかを確認しましょう。
たとえば、10年間の瑕疵担保で保険に加入したものの、その他の不具合に対するサポートは行わない業者もいます。また、建築途中でのプラン変更に柔軟に対応してくれるかも確認が必要です。
良質なアフターサービスを提供しているかどうかは、建築後も長く安心して住むための重要なポイントになります。そのため、計画段階から完成後のフォローまで、安心して任せられる業者を選ぶようにしましょう。
提案力があるかチェックする
家を建てる際には、業者の提案力が完成に違いを生むことがあります。とくに新人営業担当者が割り当てられた場合、経験の浅さから希望を十分に反映した提案が得られないことがあります。
そのため、業者選びでは担当者がどれだけ経験豊富で、顧客のニーズを理解し、創造的な提案ができるかを確認することが重要です。
満足のいく住宅を建てるためには、建築のプロとしての知識とセンスを兼ね備えた担当者からのサポートが不可欠です。提案内容をしっかりと吟味し、自分の理想に最も近づけてくれる業者を選ぶようにしましょう。
対応している工法や使用している建材をチェックする
住宅建築を検討する際、業者が得意とする工法や使用している建材にも目を向けましょう。主要な工法には木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造りがあり、それぞれに特性やメリットが存在します。
たとえば、木造は日本の気候に適しており、伝統的な温もりを感じさせる住まいを実現しますが、耐火性や耐震性に配慮が必要です。一方、鉄骨造や鉄筋コンクリート造りは耐火性や耐震性に優れていますが、コストが高くなる傾向にあります。
自分の求める住まいの特性やライフスタイル、予算に合った工法を考え、その工法を得意とする業者に依頼することが望ましいです。
担当者との相性をチェックする
注文住宅を建てる過程では、営業担当者との相性が大切です。理想の家を実現するためには、担当者との円滑なコミュニケーションが不可欠であり、相性が悪いとプロジェクト進行に支障をきたすことがあります。
たとえば、経験が浅い担当者が割り当てられた場合、不安を感じることもあるでしょう。また、自社の商品の良い点しか伝えない担当者には、信頼を置くことが難しいこともあります。このような場合、担当者の変更をお願いすることも考慮に入れるとよいでしょう。
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まとめ
ハウスメーカーは全国展開し、統一された品質とサービスを提供しているのが特徴です。一方、工務店は地域密着型で、顧客の細かな要望に柔軟に対応できる魅力があります。
ハウスメーカーと工務店のどちらに依頼すべきかを考える際、まずは住宅に求める条件を明確にすることが重要です。自分が求める条件と業者の提供内容を照らし合わせることで、最適な業者を見極められます。
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