岡山県の子育て支援について|岡山市・倉敷市・赤磐市を紹介
子どもが誕生すると、生活費が増えるだけでなく、学費や医療費などがかかります。子育て支援が手厚い自治体で暮らすと、家計の負担が軽減できるのが魅力です。
近年は、母親の子育て負担をやわらげるための多くの支援もあります。家族が健康で前向きに子育てできる環境作りを行っています。
この記事では、岡山県内の子育て支援についてわかりやすく紹介しています。子育て支援制度が充実している市町村を知りたい、子育てに対する負担や不安を減らしたいという方はぜひ参考にしてみてください。
岡山県の子育て支援について
子どもを健やかに育てるために、保護者の育児に対しての経済的・精神的な負担を軽減することを目的につくられたのが「子育て支援制度」です。都道府県や市町村、企業や地域などが協力し、社会全体で子育てを応援するためにさまざまな対策がされています。
岡山県の出生率は年々低下しており、少子化が止まらない状態です。県は、出産や育児の理想と現実のギャップに悩むことのないように、多くの少子化対策事業を設けています。以下では、岡山県で実施している子育て支援について紹介します。
ももっこカードアプリ化事業
ももっこカードアプリとは、おかやま子育て応援パスポートとして発行していた「ももっこカード」をアプリ化したものです。現在、岡山県ではステッカーや協賛店証が提示された 2,201店舗(令和5年12月時点)で使用でき、アプリを提示することでさまざまな割引や特典が受けられます。
お店によって特典の内容は異なり、スーパーでの買い物が 5%オフ、ポイントカード2倍などが実施されています。サービスを利用するためにはアプリをダウンロードし、画面上で利用申請する必要があり、18 歳未満の子どもがいる家庭が対象です。
ベビーファースト推進事業
ベビーファーストとは、公益社団法人日本青年会議所が中心となって行っている運動です。自治体や企業、個人の有無は問わず、子育て世帯が産み育てやすい環境となるために、自分たちができることを行い、その輪を広げていこうという取り組みです。
多くの企業や個人がベビーファースト運動に参加してもらうために、岡山県ではさまざまなキャンペーンを実施しています。たとえば高梁市では、ベビーファースト運動に参加した事業者に対して、水道料金の 1ヶ月分の基本料金を、最大6か月 税を一部免除または全額免除としました。
ももっこカード利用促進キャンペーン事業
ももっこカードの利用者や協賛加盟店の増加のために岡山県ではさまざまなキャンペーンが開催されています。過去には、ももっこカードのおすすめ利用法をSNSに投稿することで、抽選で宿泊券やギフトがもらえるキャンペーンが実施されました。ほかにも、協賛店で購入したレシートを見せると商品券がもらえる抽選会の開催なども行いました。
おかやま子育て応援宣言企業活性化事業
本事業は、おかやま子育て応援宣言企業制度の推進を目的として作られたものです。おかやま子育て応援宣言企業制度とは、企業の社員が仕事と子育てを両立しやすい環境を整備し、地域の子育て支援を応援するために設けられたものです。企業側が子育て支援に取り組むことを宣言し、県に登録されればホームページに内容を紹介されます。
たとえば、ノー残業デーの導入や男性の育児休業取得を促す社内研修の実施などの取り組みです。取り組みを強化するためにも、県は登録した企業に対して後日訪問や指導を行っています。
パパ・グランパ・グランマ力アップ事業
パパ・グランパ・グランマ力アップ事業とは、父親や祖父母に対して子育ての知識の提供や意識改革を行うための取り組みです。セミナーや「おかやま子育て応援BOOK」の配布などを行っています。
冊子には、子育てに関するヒントやNG集、褒め方などを紹介しています。父親や祖父母が子育てに参加しやすくなることで、母親の負担を減らすのが目的です。
地域の子育て応援事業
母親が子育てに行き詰まり孤独感がつのる、また自分の子どもの発育が遅いと悩むことのないように実施されているのが、地域の子育て応援事業です。先輩ママたちとの交流や相談できる環境を提供することで、ゆとりをもって楽しく子育てできることを目指しています。たとえば、令和5年瀬戸内市や岡山市では、山での自然遊びや流しそうめん大会などが開かれました。
少子化対策に挑戦する市町村バックアップ事業
少子化対策に挑戦する市町村バックアップ事業とは、新たに少子化対策を行う市町村に対し、県が積極的な支援を行うという内容です。地域ごとに抱えている問題は異なるため、その地域の人が課題を調査し、少子化の原因を発見、最適な解決策を見つける必要があります。
しかし、課題を発見、対応策を打ち出すには専門的な知識が必要となり、費用も足りません。県が市町村に専門家の派遣や補助金を出すことにより、課題の発見や深堀、対策の検討などが行えるようになります。
子育て支援の必要性とは
子育て支援は、妊娠から出産、育児に関する幅広いサポートが受けられる制度です。子どもを持つことが経済的な負担となる場合は、共働きの母親の労働時間が延びかねません。
子どもに接する時間が持てなくなるだけでなく、家事や育児、仕事に追われることで疲弊してしまう可能性があります。経済的な支援を受けられることで、家計や母親の負担を軽減するのが、子育て支援制度の目的です。
たとえば経済的な支援としては、子育て応援ギフトや児童手当、児童扶養手当などが有名です。子どもが生まれたことで発生する費用を一部補助することにより、家計の負担を軽減できます。
また各自治体は、近年母親へのサポートに力を入れています。はじめての子育ては、なにが正しいのかが分からず手探りで進むことになります。
核家族化が定着し、親や親戚を頼れなくなっているため、子育てに関する相談ができない家庭が多いのが問題となっています。そのため、子育てに対して強いストレスを感じてしまい、産後うつを発生してしまうケースも少なくありません。
地域や社会が親に寄り添い、子育てに関する負担や不安、孤立感をやわらげる取り組みを行うことで、心の負担の軽減をはかっています。取り組みの例としては、子どもを一時的に預けられる施設の設立や相談員の派遣です。子育てに関する相談ができ、病気や用事の際に母親が頼れる場所を提供しています。
子育ての問題点
子どもが生まれると、出産前には思いもよらない問題に直面します。以下で、子育て世帯が悩みやすい問題と対処法について紹介します。
養育費の問題
子どもを育てるために必要なのは、紙おむつやミルク、衣服などの生活費だけではなく、学費や教科書代、塾代、お稽古代、交通費など多くの費用がかかってきます。
会社の厚生年金に加入する基準が106万円のため、共働き世帯の女性の労働時間を増やすこともできません。仕事中に子どもを保育園や幼稚園に預けるとなると、保育料として毎月3万7755 円(認可保育園の全国平均)が引かれていく(3〜5歳は無償)ため、手取りは少なくなります。将来養育費で困らないように、資金計画を立てて貯金していくことが大切です。
仕事の問題
共働き世帯の場合は、仕事の問題もあります。男性の育児参加も浸透してきましたが、子育て世帯の夫は、働き盛りで残業続きの方が多いのが現状です。育児休業の取得や定時帰宅などができず、妻に育児を任せきりにしてしまうことも少なくありません。
また、職場内で子育ての理解が得られず悩んでいる方も多く見られます。厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」によると、 38度の熱があり元気のない場合は保護者に連絡を入れるとあり、子どもが熱を出したら仕事を早退する必要があります。
発熱から24時間は基本的に自宅保育となるため、翌日も休むことになります。職場に負担をかけたくない方は、病児保育や病児の預かりに対応している施設を利用しています。
治安の問題
近年子どもを狙う犯罪や凶悪な犯罪が後をたちません。親の留守中にカギを開けて出てしまう可能性もあり、幼い子どもをひとりで留守番させておくのは心配です。
対策としては、治安のよい地域に引っ越す方法があります。また仕事中に子どもを預けられる施設の利用も最適です。
保護者の就労状況で受けられる支援
子育て支援は数多く存在しますが、利用条件が設けられているため、すべての支援を受けられるわけではありません。以下で就労状況や子どもの年齢に応じて利用できる支援について紹介します。
仕事や介護などでこどもを見られない日が多い
子どもを預ける機会が多い家庭では、保育園や認定こども園、地域型保育、放課後児童クラブが利用できます。保育園とは、子どもを1日原則8時間預かってくれる施設のことで、0~5歳を対象としています。
認定こども園とは、幼稚園と保育園の機能を合わせ持った施設です。幼稚園や保育園のように親の就労の有無で利用施設が限定されず、就労状況が変わっても違う園に移る必要はありません。最大11時間預かってくれて、0~5歳を対象としています。
地域型保育とは、少人数向けの保育施設のことです。家庭の一室や企業内の施設で保育を行います。放課後児童クラブとは、留守家庭の小学生が、放課後に児童館や小学校などで過ごす施設です。
ふだん家にいてこどもと一緒に過ごす日が多い
在宅で子どもを育てている方が利用できるのが、幼稚園や地域子育て支援拠点、一時預かりサービスです。幼稚園は3満 歳以上を対象に1日4時間を基準に教育を行っています。一時預かりとは、幼稚園や保育所などで一時的に子どもを預かってもらえるサービスのことです。
地域子育て支援拠点とは、子育てにおける不安や負担、孤独感などの緩和を目的としている施設です。先輩ママや専門スタッフなどに子育ての相談ができ、援助や地域の子育て関連情報の提供などを行っています。
すべての子育て家庭
すべての子育て家庭を対象としている支援が、ファミリー・サポート・センターや子育て短期支援などです。ファミリー・サポート・センターとは、子育て家庭と地域の人が前もって会員登録しておくことで利用できるサービスです。お迎えに間に合わないときや急な病気や用事の際に世話を代行してくれます。
一方、子育て短期支援とは、育児疲れや病気などにより子育てが一時的に難しくなった際に、代わりに保育してくれる支援です。利用の際は事前申請が必要となります。
【岡山県】子育て支援におすすめの市町村3選
子育て支援の内容は、市町村ごとに変わります。地域の課題に合わせて対応策を打ち出すことで、きめ細やかな支援が可能となるからです。以下で、岡山県の子育て支援で3つの市を例として紹介します。
倉敷市
倉敷市では、 中学3年生までの子どもが、医療機関で入院や通院する際の保険適用の部分を無償化しています。子どもは免疫力が低く病気にかかりやすく、とくに若年層では0~4歳が1番医療費の負担が大きくなります。倉敷市は、本来は2、3割負担のところを無料とし、医療費の負担をなくしました。
また市独自のサービスとして産後ヘルパーを利用できます。産後ヘルパーは、出産後1年以内の核家族を対象としたサービスです。1回原則2時間の範囲内で、家事や育児、病院への付き添いまで有償でサポートしてくれます。
赤磐市
赤磐市では、高校3年生までの子どもを対象に、医療費の保険適用部分の助成を行っています。医療機関で入院や通院する際の費用を中学生までは無料、高校生までは1割負担(本来3割負担)としています。
また3か月未満の子どもがいる世帯を対象に、赤磐市産後ケア事業を行っています。体調不良や子育てに不安を持つ方に対し、家庭訪問やデイサービス、宿泊の3つの支援プランを設けています。
デイサービスや宿泊では、食事の提供のほか、育児指導、子育て相談を行っています。家庭訪問では、助産師が家庭を訪問し、子どもや母親をサポートしています。
岡山市
岡山市では、高校3年生までの子どもを対象に医療費助成を行っています。小学生までは医療費無料、中学生から高校生までは通院費1割自己負担・入院費無料となっています。
また岡山市では、「シルバー世代産前産後応援事業」として、産前から産後の 6か月の期間、家事や育児のサポートを行っています。核家族化が進んでいる現在、周りに頼れる人がおらず、産前産後の体調不良により家事や育児が困難なこともあります。
シルバー人材センターから派遣された支援者が、食事作りや買い物代行、おむつ交換を行うことで、産前産後時の負担を軽減できます。利用するためには、インターネットまたは郵送、あるいは窓口による申請が必要です。
岡山県の子育て支援制度の事例を紹介しましたが、子どもが増える場合は住まいについて検討しておくことが大切です。今住んでいる住宅が将来的に手狭に感じる場合があるなら、広々とした環境で安全に子育てするためにマイホームを検討してみませんか。
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こちらの記事では、岡山の住みやすさについて解説しています。岡山県の住みやすい市町村も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください
まとめ
岡山県の子育て支援と3つの市の事例について紹介しました。子育て支援のなかには、条件が設定されているまたは申請が必要な場合があります。詳細を確認しておくことで、直前になって利用できないというトラブルを防げます。
子育ては、支援制度の利用だけでなく住まいも大きな要素となります。快適で健康的な環境で子育てすることで、健康被害を防ぎ、日々幸せを感じながら子育てができます。
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