家購入の注意点は?新築・中古それぞれの注意点を解説
住宅の購入は、人生でとても重大なイベントのひとつです。長く住み続けられる理想の住まいを見つけたいけど、新築と中古の戸建てはどちらを購入したらよいのか迷っている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの本記事では、住宅を購入するうえでの注意点について解説します。新築と中古、それぞれの観点から解説するので、ぜひ参考にしてください。
【新築・中古共通】家購入の注意点
この章では、新築と中古物件の家を購入するうえでの注意点について解説します。
住宅ローンの仕組みを理解する
まずは、住宅ローンの仕組みをしっかりと理解し、借入金額を決めるようにしましょう。そして、借入金額は、借入限度まで借りるのではなく、無理なく返せる金額にすることが重要です。
<借入金額の目安>
住宅ローンの借入金額を決める際は「年収倍率」や「総返済負担率」を考えます。「住宅金融支援機構の2022年度フラット35利用調査 」の「年収倍率」によると、土地付注文住宅で7.7倍、マンションで7.2倍、建売住宅は6.9倍となっています。
また、中古マンションでは5.9倍、中古戸建では5.7倍です。この結果から、年収倍率は「年収の5〜7倍」を目安にするとよいでしょう。
総返済負担率とは、年収に対する返済額の割合のことです。住宅ローンの借入額は年収や勤務先、勤続年数、借入状況、信用情報などを審査したうえで決まります。
フラット35では、年収400万円未満では30%以下、400万円以上では35%以下の基準を設けていますので、総返済負担率は「30%〜35%」を目安にして、シミュレーションするようにしましょう。
<固定金利と変動金利について>
住宅ローンの返済に関わるものとして「金利」があります。金利は大きく分けると「固定金利」と「変動金利」の2種類です。
固定金利は、返済期間中の金利が変動しないため、返済計画が立てやすいことがメリットです。デメリットは、金利が下落傾向の場合は、高い状態の金利で払い続けることになってしまうことです。
住宅ローンの返済に余裕がない方や長期借り入れをしている方は、金利上昇のリスクがない固定金利を利用するのがよいでしょう。
一方、変動金利は、返済の途中で金利が変動するため、返済額が変わります。変動金利のメリットとしては金利の低さです。2023年12月時点では0.5%を下回っています。変動金利は、自己資金に余裕があり、金利の上昇に対応できる場合に利用するのがおすすめです。
書類を隅々まで確認する
住宅の売買契約を結ぶ際は、宅地建物取引士による重要事項説明が行われます。契約書類は難しい内容が記載されていたり、記載量も多かったりすることから、隅々まで理解するのは難しいかもしれません。
しかし、建物に関する重要な内容が記載されているため、必ず目を通し、不明点や疑問点があれば曖昧にせず、必ず確認するようにしましょう。
周囲の環境を確認する
家を購入する前には、周辺の環境を確認しておくことも大切です。家を建てたあとや、引っ越してから騒音がひどかったり、日当たりが悪かったりなど、後悔することがあります。
朝・昼・夜など時間帯を変えることで、騒音の状況や日の当たり方を確認できますので、実際に現場を訪れて確認することをおすすめします。
浸水や地盤沈下などの災害リスクを把握する
家がある場所や周辺のハザードマップを確認しておくようにしましょう。周辺環境を調べることで、自然災害における津波や土砂災害のリスクを知ることができます。
メンテナンスの頻度や必要性を確認する
家に長く住み続けたいと考えるならば、メンテナンスの計画を立てておくことも大切です。マンションであれば、修繕費を払うことで管理会社の方でメンテナンスを行います。
戸建てであれば、屋根や外壁など、雨風や紫外線にさらされる場所は劣化し、雨漏りにつながる可能性もあります。5年、10年など定期的にメンテナンスしていく必要があることは事前に把握しておきましょう。
とくに中古物件は、目に見えない場所で劣化している場合がありますので、直近で修繕が必要な箇所は事前に確認しておくと安心です。
新築住宅を購入する際の注意点
この章では、新築住宅を購入する際の注意点について解説します。
購入費用に含まれる項目を確認する
新築の家を購入する際にかかる費用は建物の費用だけではありません。基礎などの工事費用や壁や天井の塗装、クロス貼りの内装工事、配管工事、カーテンレール、照明などの設置工事があります。
さらに、土地を購入する際に発生する土地代や仲介手数料などがあります。そのほか、見落としがちなのは、引っ越しにかかる費用や地鎮祭の費用、近隣住民への手土産などの費用がありますので、忘れないようにしておきましょう。
将来の住みやすさを確認する
家を購入する際は、将来のライフプランを見据えたうえで購入すると、後悔のない生活が送れるでしょう。
子どもが増えた際の広さ、子どもが独立したあとの夫婦での老後生活に最適な広さや動線、病院・商業施設、公共交通機関が近くにあるかなど。将来のライフプランを見据えて購入することは大切な要素です。
間取りや部屋数を確認する
家族によって使いやすい間取りや部屋数はさまざまです。とくに間取りは生活動線を考えたうえで配置をしないと、余計な労力がかかり後悔につながります。
部屋数に関しては、子どもの人数や今後両親と同居していくのかなど、将来の家族構成をシミュレーションして、問題のない間取りや部屋数にしておくようにしましょう。
完成後の状態を確認してから代金を支払う
家が完成したからといって、すぐに代金を支払わないようにしましょう。生活を始めてから工事の不備に気づいても、工事前なのか、工事後なのかの証明が難しく、余計な費用が発生する可能性もあるからです。
完成時は必ず内覧をし、屋根や外壁、基礎などの外観、壁や水回り、建て付けなどの内装をしっかりとチェックします。万が一、工事に不備があれば、その場で補修依頼をするようにしましょう。
中古住宅を購入する際の注意点
この章では、中古住宅を購入する際の注意点について解説します。
耐震性能を確認する
中古物件を購入するうえで、地震大国である日本において耐震性は重要な要素です。中古物件を購入する際は、新耐震基準や2000年基準を満たしているかを確認しておきましょう。
新耐震基準とは、震度6強〜7程度でも倒壊などの損害がでないよう設計を見直したものです。2000年基準は、地盤に合った基礎や接合部の補強、地震に耐えられるよう壁の配置を見直した、新耐震基準をより強化したものになります。
上記耐震基準を満たす住宅は、費用は高くなりますが、命につながる重要な要素です。後悔のないよう十分に将来のことを考えてみてください。
腐食や劣化など建物の状態を確認する
中古住宅は、築年数にもよりますが、新築よりもリフォームをするタイミングが早くなります。一般的に、屋根や外壁塗装のメンテナンスのタイミングは10年程度になります。
屋根や外壁が色褪せていないか、ひび割れていないかなどを中心にチェックするとよいでしょう。基礎に関しても、耐久性に影響があるため、同様にひび割れを見ておきましょう。
また、室内においては、配管の水漏れやカビが発生していないかも注意するポイントです。室内の湿度が高かったり、カビ臭かったりすると、雨漏りしている可能性もあります。
増改築の可否を確認する
住宅は、中古物件に関わらず、自由に増改築ができるわけではありません。住宅には建物面積の上限が設けられており、建ぺい率や容積率に制限があるためです。また、前面道路が建築基準法に則っている道路か、前面道路に2ⅿ以上接しているかなどの条件を満たしているかも重要です。
将来的に、建て替えや増築などを考えているのであれば、増改築可能な土地かどうかも確認しておくとよいでしょう。
シロアリによる被害がないか確認する
シロアリは雨漏りが原因で発生する害虫です。シロアリが発生することで、建物への深刻な影響が考えられます。放置すると柱や基礎などの土台が食べられ、建物の強度が著しく低下します。最悪の場合、倒壊の恐れもあります。
建物への影響が深刻な状態になると、シロアリを駆除する費用に加え、柱や土台などを交換しなくてはいけなくなります。そうなると大規模な改修工事を必要とするため、修理費用が高額になります。被害が少ないうちに対応することが大切です。
住宅ローン控除が受けられるか確認する
住宅ローン控除を受けるためにはいくつかの条件があります。物件自体に限ったものとしては、住宅の床面積が50㎡以上であることや、住宅ローンの返済期間が10年以上であること、年収が2,000万円以下であること、1982年以降に建てられた住宅(新耐震基準に適合している住宅)であることが条件です。
ただし、耐震基準適合証明書を申請し、新耐震基準に適合している住宅と証明されれば、住宅ローンの控除を受けることができます。
売りに出された理由を確認する
中古物件は、なぜ売りに出したのか、理由を確認しておくようにしましょう。とくに、相場よりも安い物件に関しては要注意です。中古物件の劣化が激しかったり、瑕疵(かし)があったり、公共交通機関のアクセスの悪さや、敷地条件が特殊である場合も考えられます。
また、築浅であれば、ご近所とのトラブルや日当たりが悪いなども考えられます。売主には、できるかぎり売却理由を尋ねてみるようにしましょう。
隣の家との境界を確認する
中古物件を購入する際は、隣家との敷地の境界線を示す「境界標(プレートや境界石)」の確認は重要なポイントです。
曖昧なままにしておくと、隣地との間の塀や、フェンスの維持管理や補修費用の押し付けなど、トラブルに巻き込まれる恐れがあります。
境界線が曖昧な場合は、売主に境界線を設置してもらい、確定してから購入するようにしましょう。
家購入の注意点を解説しましたが、細かな疑問も解消したい場合は、住宅相談会に参加するのも選択肢になります。こちらでは、住宅相談会について、参加方法や相談できることを解説しますので、ぜひご覧ください。
まとめ
家を購入する際は、どの程度費用がかかるのかを把握し、住宅ローンの仕組みを理解したうえで、無理のない返済計画を立てることが重要です。
そのうえで、今回ご紹介した新築・中古住宅を購入する際の注意点をしっかりと理解しておけば、後悔のないマイホーム生活を送ることができるでしょう。
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参考サイト
住宅金融支援機構
「2022年度フラット35利用者調査」
https://www.jhf.go.jp/files/400366726.pdf
国土交通省
「住宅・建築物の耐震化について」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr_000043.html
国税庁
「No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1214.htm
国民生活センター
「不動産売買契約書(その1)
https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202207_05.pdf
日経新聞
「中古戸建て住宅の売買、「境界標」の確認を」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOMH068AO0W1A900C2000000/