建売住宅のメリット・デメリットとは?購入するまでの期間や費用を解説
突然ですが、みなさんは建売住宅とは何かご存知でしょうか。建売住宅とは完成済み、または完成予定の建物と土地がセットになって販売されている住宅のことです。
今回は、そんな建売住宅を購入するメリット、そしてデメリットについて解説します。また、建売住宅と比較されやすい注文住宅との違いや建売住宅を購入するまでの流れ、具体的な予算の目安なども一緒に紹介するため、これから家を新しく購入することを検討している人は、ぜひ参考にしてください。
目次
建売住宅のメリット・デメリットとは?
建売住宅に限った話ではありませんが、建売住宅にはよいところもあれば悪いところもあります。具体的にどのような利点と欠点があるのか、順番にチェックしていきましょう。
建売住宅のメリット
それでは、さっそく建売住宅のメリットについてみていきましょう。建売住宅の主な利点は、以下の3点です。
<h4>購入費用が安い
建売住宅の利点としてよく挙げられるのが、購入費用の安さです。建売住宅は広大な土地を一括で購入し、一挙に建築と販売を行っています。
このように、土地と建物をセットで販売し、土地と建物両方で利益を出しているため、販売単価を下げることが可能です。広範囲の土地をまとめて購入しているおかげで、坪単価も抑えられます。
また、建売住宅は設備や建材に同じものを使用するのが一般的です。同じ規格の設備や建材を大量に仕入れることで、仕入れにかかる費用を大幅に抑え、全体のコストダウンに成功しています。
内見してから購入できる
内見してから住宅の購入を決定できる点も、建売住宅の利点です。注文住宅の場合、工事が完了するまで基本的に家の外観も内装もわからないため、希望する家のイメージや間取りが違っていても、途中で修正できません。結果、完成した住宅の工事のやり直しを求め、依頼主と施工会社との間でトラブルに発展する場合もあります。
建売住宅は最初から完成した家を土地ごと購入するため、間取りから家の広さ、そして光の入り具合まで自分の目で確認することが可能です。イメージどおりの家に住みたい人は、建売住宅の購入を検討してください。
入居までの期間の短さ
建売住宅の強みとして、入居までの期間が短い点が挙げられます。注文住宅の場合、工事以外に土地探しや設計にも時間がかかるため、入居まで1年以上かかるのが一般的です。
しかし、建売住宅なら契約から入居までの期間は早ければ1か月程度しかかかりません。子どもの進学や転勤などで早く新居に引っ越したい人にとって、入居までのスピード感は大きなメリットといえるでしょう。
また、住宅ローンを利用しない場合や完成後の建売住宅を購入する場合は、さらに短い期間で入居できます。
建売住宅のデメリット
続いて、建売住宅のデメリットについて解説します。建売住宅の主な欠点は、以下の3点です。
似ている建物が多い
建売住宅の代表的なデメリットのひとつが、建物の個性が出にくい点です。注文住宅と異なり、建売住宅はハウスメーカーや工務店があらかじめ決定した規格に合わせて建てられています。
そのため、どうしても住宅のデザインが似通ってしまいがちです。規格が決まっているということは、外観や間取りの自由度も低いため、希望通りの住宅を完成させるのは困難といえるでしょう。
土地の状態が見られない
土地の状態が判断できない点も、建売住宅を購入するデメリットです。土地の強度は、そのまま家の強度に直結します。地盤が弱ければ地震が発生した際に家が損傷し、最悪の場合崩壊しかねません。
建売住宅は完成した住宅と土地がセットで売り出されているため、地盤が強いのか弱いのか判断するのが困難です。建売住宅を購入する際は、担当者に土地の状態や地盤改良工事の有無を必ず確認しましょう。
多くの人が入っている
建売住宅の欠点として、不特定多数の人が出入りしている点が挙げられます。建売住宅は間取りや設備を確認するために数多くの見学者が訪れているため、家のさまざまな場所を他人に見られ、触られている可能性が高いです。
ようやく手にしたマイホームを他人に好き放題されていたという事実は、決して気分がよいものではありません。また、家の間取りを知られているため、セキュリティやプライバシーの面でも不安が残ります。どうしても抵抗感を抱いてしまう場合は、建売住宅以外の家の購入を検討しましょう。
建売住宅と注文住宅の違い
建売住宅の比較対象として、注文住宅の存在が挙げられます。両者の違いは、予算の目安やデザインの自由度などさまざまです。具体的な違いについて、もう少し詳しくみていきましょう。
総費用
建売住宅と注文住宅は、一般的に建売住宅の方が安く、注文住宅の方が高いといわれています。2022年住宅金融支援機構が実施した調査によると、岡山県を含む中国地方における住宅購入の費用相場は建売住宅が3,108万円土地付き注文住宅が4,312万円でした。
建売住宅は費用相場が安いのはもちろん、販売価格が最初から明示されているため資金計画が建てやすい点も強みです。一方の注文住宅は、細かい部分まで実際に設計を進めないと具体的な費用がわかりません。資金計画を立てる際は、入居までに必要な総費用を把握してからにしましょう。
デザイン
住宅の外観や内装など、デザインの自由度の高さは建売住宅より注文住宅の方が優れています。建売住宅は一括購入した広大な土地にまとめて建てるため、デザインがある程度統一されており、人によっては無難でつまらない印象を抱くでしょう。
注文住宅は、土地の購入から家の設計まですべての工程に関われるため、自分が理想とするデザインの家をつくりやすいです。ただし、自由度が高い分予算オーバーしやすいため、依頼するハウスメーカーや工務店の担当者と慎重に打ち合わせを進める必要があります。
ローンを組むとき
建売住宅と注文住宅は、ローンの組み方にも違いがあります。建売住宅の場合、最初から土地と建物の金額を合算して販売価格を打ち出しているため、販売価格を基準にしてローンを組むのが一般的です。そのため、建物さえ完成していれば、金融機関の審査も素早く進められるでしょう。
一方の注文住宅は、土地と建物の合算金額を出してからローンを組みます。先に土地だけ購入する場合でも、ローンの審査をする際にはトータルの予算や建築計画などを金融機関に説明しなければならないため、融資を受けるまでに手間と時間がかかりやすいです。
建売住宅を購入するまでの期間
続いて、建売住宅を購入するまでの期間にすることを紹介します。実際に家を購入する前に確認して、スムーズに準備を進められるようにしましょう。
物件の候補を見つける
最初に、候補となる物件を探します。物件を探す際は希望条件が多すぎると、候補となる物件の数が少なくなってしまうため、譲れない条件や妥協できる条件をピックアップして、あらかじめ条件に優先順位をつけておきましょう。条件のみならず、予算内に収まるかどうかもしっかり確認してください。
候補の物件を探す方法はさまざまで、不動産会社に依頼して探す人もいれば、インターネットや広告を利用して自分で探す人もいます。基本的には、自分に合った方法で探せば問題ありません。
物件の内見
気になる物件を見つけたら、早速内見の予約を入れて物件の間取りや周辺環境などが希望の条件に合っているか、しっかりチェックしましょう。内見の際に不明点や疑問点を抱いた場合は、すぐに担当者に質問してください。
また、内見の予約は当日の2〜3日前でには済ませておきましょう。人気の物件はすぐに売れてしまうため、気に入った物件が見つかったら可能な限り素早く行動してください。
購入の申し込み
希望の物件が見つかったら、売主に購入の申し込みをします。購入の申し込みは、不動産会社に仲介してもらうのが一般的です。申込書に必要事項を記入する際、捺印やサインをする場所もあるため、必ず印鑑を用意しておきましょう。
購入の申し込み時点で支払いが発生することは、基本的にありません。ただし、売主によっては10万円前後の申込金が必要になるケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
契約日や条件を決める
物件の購入申し込みをする際、契約内容の調整も一緒に行います。主に話し合われる内容は物件の売買価格や手付金の金額、契約日などです。
話し合いをスムーズに進めるために、あらかじめ重要事項説明書や不動産売買契約書などのコピーを用意してもらい、読み込んでおくのをおすすめします。契約後に買主都合で契約を破棄すると、手付金が返ってこなかったり、違約金を請求されたりする場合もあるため、注意してください。
ローンの事前審査を出す
契約内容の調査が落ち着いたら、ローンの事前審査も出しましょう。ローンは事前審査と本審査があり、事前審査では住宅ローン利用者の年収や勤続年数、そして返済計画などをチェックします。
事前審査は誰でも無料で申し込みが可能で、比較的短い日数で審査の結果が通達されるのが特徴です。また、事前審査を進める際は身分証明書や健康保険証、収入証明書などが必要になるため、あらかじめ用意しておきましょう。
不動産の売買契約をする
重要事項と売買契約の説明を受け、捺印と署名が完了すると売買契約が結ばれます。手付金は、売買契約が締結されるタイミングで支払うのが一般的です。
不動産の売買のように大きな契約は、一度契約を結ぶと簡単に解除できません。ただし、契約不適合やクーリングオフ、双方の合意がある状態など、一部例外もあります。
建売住宅に向いている人の特徴
建売住宅にはさまざまな利点と欠点がありますが、予算や家に対する個人の考え方によっては、建売住宅が向いている場合があります。建売住宅と相性がよい人の特徴は、以下のとおりです。
早く入居したい
建売住宅は、可能な限り早く新居に入居したい人におすすめです。注文住宅の場合、土地探しや設計など、作業工程が多いため入居までにどうしても時間がかかってしまいます。
しかし、建売住宅であれば最初から土地が用意されており、かつ内装やデザインなどの設計も決まっているため、スムーズに工事を進めることが可能です。早ければ1か月程度、住宅がすでに完成している状態であればローンの手続きや売買契約が完了次第すぐに入居できます。
デザインなどにこだわりがない
デザインにとくにこだわりがない人も、建売住宅との相性がよいといえます。建売住宅は外観や内装、間取りなどがあらかじめ決まっており、インパクトに欠けると感じる人も少なくありません。
着工前であれば、ある程度自分の希望をデザインに反映することもできますが、どうしても限りがあります。しかし、オーソドックスなデザインや間取りの家でも気にならない人であれば、建売住宅で十分満足できるでしょう。
時間や費用をかけたくない
時間や費用をかけたくない人にも建売住宅はおすすめです。注文住宅はカスタマイズ性の高さが魅力ですが、素材や設備にこだわりすぎると予算が膨れ上がってしまいます。また、土地探しやプランの打ち合せなどがあり、実際に入居するまでに時間がかかってしまいがちです。
しかし、建売住宅は最初からデザインや内装が決まっているため、工事期間が短く家がすぐに完成します。また、大量の建材をまとめて発注してコストを下げているため、予算が少なくても家を建てられる点もメリットです。費用や時間など、あまり複雑なことを考えたくない人は、建売住宅の購入を検討してください。
建売住宅にかかる費用
建売住宅を購入するにあたって、さまざまな費用が必要です。具体的にどのような費用がかかるのか、内訳を順番にチェックしていきましょう。
印紙税
印紙税とは、一定の課税文書に課税される税金のことです。不動産取引では、不動産の売買契約書などの契約書に対して課税されます。税額は契約書の記載金額によって決まりますが、掲載金額が1万円未満の場合は課税されません。
印紙税の納付は、規定の印紙を契約書に貼ったものを消印することで完了します。ちなみに、同じ契約書を複数枚作成する場合は、1通ごとに印紙を貼らなければなりません。
登記費用
登記費用とは不動産登記、つまり取得不動産に関する基本的な情報を登記簿に記載する際に必要な費用のことです。不動産登記にはさまざまな種類があり、新築物件を購入する場合まずは表題登記をします。
自力でも登記はできますが、司法書士に代行してもらうのが一般的です。その場合、依頼料も含めて20〜50万円程度かかります。
仲介手数料
仲介手数料とは、住宅の売買の際に売主と買主の間に入り各種契約事務を行った不動産会社に対して支払う費用のことです。仲介手数料は取引が成立した際に用意する成功報酬のため、契約が成立しなかった場合は支払わなくても問題ありません。
また、売主と買主の間で直接売買が実施される売主物件の場合は、仲介手数料が発生しないため、気になる人は調べてみましょう。
住宅ローン借入費用
住宅ローン借入費用とは、購入物件が融資基準を満たしているか否か、審査する際に支払う手数料のことです。物件によっては、用意する必要がない場合もあります。
不動産取得税
不動産取得税は、住宅などの不動産を取得した際に支払う税金のことです。
都道府県が課税する地方税で、不動産の取得後6か月〜1年半程度で届く納税通知書を使用して納税します。
都道府県によって期限が異なるため、事前に管轄の都道府県の公式サイトを確認しておきましょう。
各保険料
家を購入する際は、各種保険に加入するための保険料も用意してください。保険は複数種類ありますが、住宅ローンを組んで住宅を購入する場合は、貸し倒れリスクを減らすために火災保険と団体信用生命保険への加入が必須になっているケースがほとんどです。
保険は扱っている会社によって費用や補償内容が異なるため、必ず複数社で見積もりを行ってもらいましょう。
税金
住宅を購入するにあたって、さまざまな税金がかかります。住宅の購入時は消費税、住宅購入後は固定資産税や都市計画税などを支払わなければなりません。予算が厳しい場合は、各種減税や優遇制度の利用も検討してください。
建売住宅の値引き交渉はできる?
結論から述べると、建売住宅の値引き交渉は可能です。ただし、値引き交渉が成功しやすいタイミングとそうでないタイミングがあります。
たとえば、新築の建売住宅は値引きをするまでもなく購入希望者が現れる可能性が高いため、交渉が失敗しやすいです。一方で、完成からある程度時間が経過している建売住宅は、売主が早く売りたいと考えているケースがあります。その場合は、高確率で値引き交渉が可能です。
「岡山県の不動産売買情報サイト『岡山で暮らす』」では、建売物件を含むさまざまな不動産の情報が掲載されています。ぜひチェックしてみてください。
次にこちらでは、分譲住宅のメリット・デメリットを購入に向いている人や選ぶポイントと一緒に解説します。ぜひご覧ください。
まとめ
以上、建売住宅のメリットとデメリットを中心に、購入までの期間や費用などについて取り上げてきました。建売住宅は注文住宅に比べて、安価で、かつ入居までの期間が短いのが利点ですが、一方でデザインの幅が狭く、土地の状態が確認できないなどの欠点もあります。
住宅の購入は、人の一生における最も大きな買い物のひとつです。本当に建売住宅でよいか、しっかり吟味して購入するか決定しましょう。
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